ボクシングのWBC世界バンタム級王者山中慎介(34=帝拳)が27日、12度目の防衛戦(3月2日、両国国技館)の予備検診を都内で受け、異常なくパスした。挑戦者の同級6位カルロス・カールソン(メキシコ)との対面にも余裕の笑顔で「今までやってきた中で、自信がより一層ある」と調整の手応えを強調した。
本格的な減量に入った約1カ月前から、沙也乃夫人に頼み、毎食10品目以上の料理を作ってもらった。栄養面はもちろん、効果は精神面にも。彩りが豊かで「目で楽しみ、味で楽しめた。きつい練習後の食事が楽しみだった」。7キロを落とす作業にも「コンディションがテンションでこんなに違うとは」と当人も驚いた。ちなみに、ヒット作は手羽先の酸っぱ煮という。
昨年同時期のV10戦では、家族にインフルエンザがまん延してホテル暮らしで外食もあった。「やっぱり家族の食事はいいですね」と感じ入る。検診後にはジムで「動き過ぎるのが問題」と言うほど、活発に体を動かした。家族の支えの「10品目」に、本人が言う「ジムの支え」「自分の練習への自信」を足せば“12品目”。V12戦でも勝利を平らげる。【阿部健吾】
(2017年2月28日付日刊スポーツ紙面掲載)