オイスターソースは中国調味料の一種です。カキ油ともいいます。塩漬けにしたカキを煮出して浮いた脂肪を集め、それに醤油や食塩などを加えて作った調味料。とろりとした液状で独特のカキの香りがあり、広東料理に多く使われます。

 通常のソースの代わりに、オイスターソースを焼きそばや野菜炒めなどの炒め料理に加えることで、手軽に本格中華料理を楽しむことができます。また、中華料理だけでなく和食、洋食などいつもの料理に隠し味として使うと、いつもとは違う風味、コク、旨味のある料理になります。

牛肉とトマトのオイスター炒め
牛肉とトマトのオイスター炒め

 今回のレシピは「牛肉とトマトのオイスター炒め」です。普段、しょうゆや塩での味付けが多い場合、オイスターソースを使うことで味に変化が出ます。ただし、入れすぎると塩気が強くなるので注意が必要です。

牛肉には吸収の良いヘム鉄

 牛肉にはタンパク質、脂質、鉄が多く含まれています。鉄の中でも吸収の良いヘム鉄で、吸収率は15~25%となっています。

 トマトにはビタミンAになるβカロテン、リコピンが豊富です。リコピンなどカロテノイドは、活性酸素を消す強い抗酸化力を持っています。リコピンは脂溶性なので主に細胞膜に存在し、細胞が活性酸素に攻撃されるのを防いでくれます。

リコピンは油と加熱で吸収アップ

 リコピンをはじめとするカロテノイドは脂溶性のため、生のトマトを単独で食べるよりも、オイルのドレッシングをかけてサラダにしたり、比較的熱に強い性質を持っているため、油を使った料理にしたりすることで吸収が高まります。

 今回のレシピでは、牛肉とトマトをオイスターソースで炒めることでタンパク質、鉄、カロテノイドを風味よく摂ることができます。栄養素を効率よく摂取しましょう。