お正月は休暇を取り、家族や親戚とご馳走を食べた人も多かったのではないでしょうか。

 1月7日は桃の節句など五節句の1つである「人日(じんじつ)の節句」といい、朝に七草がゆを食べる習慣があります。この頃、「春の七草」が芽吹きます。そのため、七草がゆは邪気を払うといわれ、無病息災を願って食べるようになりました。

 春の七草には「芹(せり)、薺(なずな)、御形(ごぎょう)、繁縷(はこべら)、仏の座(ほとけのざ)、菘(すずな)、蘿蔔(すずしろ)」があります。野草のため、食品成分表に掲載されていないものもありますが、薬効があるとして薬として用いられてきたものもあります。

上段左から、せり、なずな、ごぎょう、下段左からはこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ
上段左から、せり、なずな、ごぎょう、下段左からはこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ

せり
 セリ科の多年草。カリウムやβカロテン、ビタミンKが多く、血脈を整え、保温効果や高血圧予防に優れています。

なずな
 別名ぺんぺん草と呼ばれるアブラナ科の二年草。カルシウムやカリウム、βカロテンが豊富で、風邪の予防に優れています。

ごぎょう
 母子草(ははこぐさ)の別名でキク科の二年草。咳・痰に効果があります。

はこべら
 はこべのことでナデシコ科の二年草。昔から腹痛薬とされ、産後の浄血に用いられています。

ほとけのざ
 キク科の二年草。胃腸に効きます。

すずな
 カブの葉ことでアブラナ科の一・二年草。葉はβカロテンやビタミンCの多い緑黄色野菜で、腹痛薬としても使われています。

すずしろ
 大根の葉のことでアブラナ科の一・二年草。葉はβカロテンやビタミンCが豊富な緑黄色野菜で、風邪予防や美肌効果に優れています。

 おかゆで、年末年始に食べすぎ、飲みすぎで疲れた胃腸をいたわります。また緑黄色野菜の少ないこの時期に栄養価の高い七草を入れて食べることは、粘膜を整え、風邪の予防にも大変有効です。ぜひ取り入れて欲しいですね。

出典:食のコラム/七草がゆは薬効がゆ -野草で体調を整える-

【管理栄養士・今井久美】