コラーゲンといえば、美容のイメージが強いですが、肌(真皮)だけでなく、骨、軟骨、靱帯、腱を構成するタンパク質です。体内に存在するタンパク質の約30%を占め、スポーツ選手が負傷しやすい部位に多く存在するため、特にケガをした時には、コラーゲンの合成能力が早い回復につながります。
では、どうしたらコラーゲンの合成能力を高められるのでしょうか? コラーゲンを含むサプリメントが市販されていますが、これを飲めばいいのでしょうか?
サプリメントを飲んでも、体内でそのまま吸収されるわけではありません。一度アミノ酸まで分解され、腸管から吸収されます。また、飲んだもの全てがコラーゲンに合成されるわけでもありません。ただ多く摂取すれば、コラーゲンに合成されやすくなる可能性はあります。
もちろん、食品からも摂れます。コラーゲンを多く含む食品は、鶏の皮、手羽先、軟骨、牛すじ、牛テール、豚レバー、豚足など。牛、豚、鶏の骨を煮込んだスープのほか、フカヒレ、魚の皮、ウナギ、カレイ、エビ、クラゲ、スッポンにも豊富です。肉や魚の皮や軟骨、内臓に多く含まれているため、魚を食べる時は、皮や内臓まで食べるようにすると、コラーゲンの摂取量を増やせます。
ゼラチンは、牛骨・牛皮、豚骨・豚皮、魚の皮やうろこから抽出したコラーゲンを分解したものなので、ゼラチンを使ったゼリーを食べて、コラーゲンを摂るのは簡単です。しかし、1日に4~5個も食べるようでは、糖類の過剰摂取になり、虫歯になるリスクも上がるため、1日に1~3個が適量でしょう。
コラーゲンの合成を助ける栄養素には、ビタミンCと鉄、亜鉛があります。コラーゲンを含むタンパク質の多い肉や魚と一緒に野菜や果物を食べることが、ケガの回復を早めることになるということです。
【管理栄養士・今井久美】