サッカーワールドカップ(W杯)に出場する32カ国の代表選手は、生まれ育った土地の食べ物で強い体を作り、技を磨いてきました。彼らを作り、育てた食べ物、料理はどんなものなのか。約70カ国を訪れ、「ワールドカップを食べ尽くせイベント」で32カ国の料理を一挙提供した各国・郷土料理研究家の青木ゆり子さん(e-food.jp代表)が各組から1チームを厳選し、代表的なおふくろの味を紹介します。

C組=ペルー
(フランス、オーストラリア、ペルー、デンマーク)

 インカ帝国やマチュピチュのイメージしかないかもしれませんが、ペルーには平地もあって農耕も盛ん。またアンデス山脈には高原もあり、ジャガイモやトマトの原産地でもあります(元々は自生していたもの)。

アヒ・デ・ガジーナ(ペルー産アヒ・アマリーリョを使った鶏肉の煮込み)
アヒ・デ・ガジーナ(ペルー産アヒ・アマリーリョを使った鶏肉の煮込み)

 大航海時代にそれらをヨーロッパに持ち帰らなければ、今のイタリアのトマト文化はなかったでしょうし、寒冷地でも育つジャガイモがあったから、飢えずにしのぐことができたのです。

 ジャガイモは、大小、色さまざまで約3000種類もあります。同じく原産地の唐辛子の種類も豊富で、辛くない風味の良いものも改良されており、未知の食材が豊富です。

さすが!フランスは別格

 1カ国厳選ということでしたが、やはり美食に関してフランスは別格、文句なしなので紹介しておきます。

コック・オ・ヴァン(ブルゴーニュ地方の鶏の赤ワイン煮)
コック・オ・ヴァン(ブルゴーニュ地方の鶏の赤ワイン煮)

 チーズとパンだけでこんなにおいしいと思えるのは、さすがフランスです。とにかく手間のかけ方が違いますし、おいしさにどん欲。品質保証のため、厳しい原産地呼称統制もしていますし、文化財として守る気構えが違います。素晴らしい国です。

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