西武の育成ドラフト2位・大窪士夢投手(18=北海)が、でっかい夢を実現させる。新人合同自主トレ2日目の10日、埼玉・所沢での練習を終え「今までと違うメニューなので新鮮な気持ちで取り組めています。すべてにおいてまだまだ。このでかい体をしっかりと使えるようにしていきたい」と高みを見据えた。

新人合同自主トレを行う西武大窪(中央)と渡辺(右)(撮影・栗田成芳)
新人合同自主トレを行う西武大窪(中央)と渡辺(右)(撮影・栗田成芳)

まさに未完の大器だ。潜在能力は計り知れない。身長198センチは今季の日本人選手で最長身。「食欲と睡眠欲が合致したとき、人は大きくなるんだと思いました」。中学では1食3合の白飯を食べ、睡眠時間は最長18時間を記録。小学6年で178センチあった身長はさらに伸びた。

昨秋のメディカルチェックでも、春から0・8センチ伸びていた。ただ魅力は大きさだけではない。渡辺GMが「あれだけ大きいのに体は動けるし指先に感覚を持っている。だからコントロールがものすごくいい。変化球もよくてフォークを持っている。彼を仕上げることは、我々の育成力にかかっている」と言うほどポテンシャルを買われている。

新人合同自主トレを行う西武大窪(左)(撮影・栗田成芳)
新人合同自主トレを行う西武大窪(左)(撮影・栗田成芳)

プロでのスタートは背の順同様、最後方から。目標は同学年で190センチのドラフト2位・渡辺勇太朗投手(18=浦和学院)だ。「球速もレベルもすべてにおいて足元にも及ばない。その勇太朗を超えたい。テレビで言ったら『もっと差をつける』と言ってもらった」。大きな体格とは反対に、控えめな姿勢で地に足をつけ、しっかりと根を張る。

支配下登録を果たせば、渡辺、巨人から加入した201センチのリャオとの3人による“所沢山脈”継投が見られるかもしれない。標高0メートルから未踏の地を目指し、大きな1歩を踏み出した。【栗田成芳】

大窪士夢(おおくぼ・じゆ) 2000年(平12)8月2日、北海道生まれ。小学校2年生までバスケットボールをしていたが、4年から岩見沢第一アトムズで本格的に野球を始める。中学は岩見沢シニアでプレー。進学した北海高では昨夏道大会で2試合登板4回無失点。18年ドラフト育成2位で西武から指名を受ける。198センチ、89キロ。右投げ右打ち。背番号126。血液型A。

主な長身選手 過去の最長身選手は216センチのファンミル投手(楽天)。外国出身選手を除いて2メートル以上は馬場正平投手(巨人)だけ。馬場はプロレス時代に209センチも、巨人時代は200センチで登録。その他では南貴樹投手(ソフトバンク)が12年に199センチ、藤浪晋太郎投手(阪神)が15年に198センチで登録されていた。

(2019年1月10日、ニッカンスポーツ・コム掲載)