冬はマラソンの季節。3月3日には東京マラソンも開催されます。市民ランナーに大人気のレースで、テレビ中継もあるため仮装して走る人もたくさんいます。大勢の観客に応援されて走ることは爽快ですが、その反面緊張するランナーも多いことでしょう。

フルマラソンという長距離を走りきるには、万全の体調で臨みたいところ。睡眠不足でベストを尽くせず後悔しないために、前日にどんな食事をすれば良いか考えてみましょう。

消化の良いものが第一

緊張状態では交感神経が優位な状態で、消化管の動きは悪く、吸収能力が低下するため、消化の良い食べ物を選ぶことが第一です。油っこい揚げ物や脂ののった肉類は避け、見た目以上に油脂の多いカレーライスや刺激の強い激辛ラーメンなどはやめておきましょう。

炭水化物を十分にとる

エネルギー源となる炭水化物の多い食事を心がけましょう。ご飯やパン、うどん、スパゲッティなど必ず主食を摂り、イモ類など副菜からも炭水化物をとります。しかし、食べ過ぎると胃腸に負担がかかりますので、満腹まで食べるのはやめた方がいいですね。

眠りの質を高める成分

アミノ酸の1つであるグリシンが眠りの質を高め、深く眠れる作用があると報告されています。グリシンを多く含む魚類(カツオやウナギ)、エビ、カニや貝類、肉類(特にゼラチン)、大豆製品などタンパク質も十分に摂りましょう。補食には、ゼラチンを使ったゼリーやきな粉を使ったおやつが良さそうです。そういえば、桃太郎も鬼退治の時、きびだんごをもらっていましたね。

また、トリプトファンを原料にセロトニンが作られ、セロトニンが“眠りホルモン”であるメラトニンの分泌を促進することはよく知られています。トリプトファンもアミノ酸ですので、タンパク質を多く含む乳製品、肉類、大豆製品、魚類(カツオ、マグロ、イワシ)、ナッツ類に含まれています。

以上のことをまとめると、油っこいものを避け、主食・主菜がそろった食事を適量食べることです。消化には時間がかかるため、夕食は、遅くとも寝る2時間前までには食べ終えましょう。

【管理栄養士・今井久美】