<東福岡バレー部の食育(下)>
東福岡バレーボール部のOBで、JTサンダースのセッターとして活躍する金子聖輝(まさき、21)が、6月のオフを利用してインターハイ予選を兼ねる福岡大会を観戦し、高校時代の自身の食トレを振り返った。「太るのが大変だったんですよ。食べ続けていないとやせてしまう体質なので、体重をキープするのに必死でした」。
高校2年で、インターハイ、国体、春高の3冠を達成。高3では主将を務め、藤元総一監督(43)の目指すチーム強化のため、厳しい練習を日々行い、創部初となる春高2連覇を成し遂げた。
休み時間に補食、試合後にうどん3玉
「当時はガリガリで、もっと太れとよく怒られました」。福岡市の香椎三中から入学した当時は身長188センチながら60キロ台の体重だったため「とにかく70キロ台になりたい」と必死に補食をとっていたという。
「3食のほかに、休み時間に補食をとっていました。試合が続くと体重が減ってしまうので、菓子パンやおにぎりを2、3個。オレンジジュースやゼリーなどもおなかの中に入れていました。お昼ご飯のあとに試合会場の近くでうどん屋さんを探して、炭水化物をとったこともありました。1玉では足りないので、2、3玉食べていました」。
バランス良く食べて効率よく増やす
チームで受講していた栄養講習の知識をベースに、ただご飯を食べるだけじゃなく、栄養を考えて食事とることも心がけていた。「やみくもに主食(ご飯)を食べるだけではなく、おかず、野菜、果物、乳製品の『栄養フルコース型』を習いました。バランスよく食べる方が体重を効率よく増やせるということを知り、筋力トレーニングと合わせて頑張っていましたね」。
その努力が実り、現在は77キロ。「世界で勝つ選手を目指す中、僕はまだまだ細いので80キロまで増やしたい。最終的な理想体重は87キロです」と、目標数値を掲げる。オフ期間中に「増量しても跳躍力は失わないように、トレーニングもしっかりやって筋力アップも行っていくつもりです」と話した。
試合観戦した後は、選手たちに激励の言葉をかけた。増量で苦労した自分の経験を踏まえて「太れないのは誰もが経験する悩み。無理に詰め込むのは精神的にもきついと思うので、とにかく『小分け』にして食べるしかないです。目標体重に向かって頑張って欲しいですね」と話し、インターハイでの活躍に期待を込めた。【樫本ゆき】