男子マラソン日本記録保持者の大迫傑の妻で、アスリートフードマイスターの資格を持つ大迫あゆみさん(30)が28日、都内でセミナーを開催し、栄養に関心を持つ市民ランナー約30人が熱心に耳を傾けた。
あゆみさんは「『半端なくない』大迫家の食卓」というテーマで、トップアスリートの夫にどんな食事を提供しているか、実例を交えて説明。さまざまな食材を使って栄養をバランス良く取ることが強い体を作る第1歩で、リオデジャネイロ五輪など大きな大会が近づいたときも、「特別なごちそうはなく、いつも通りの私の手料理だった」。マイペースを貫く大切さを強調した。
ただ、「ポイント練習」と呼ばれる強度の強いトレーニングを行った日には、「十分なタンパク質を摂取することで、筋肉の修復を図るように心掛けている」と言う。その成分を多く含む素材には肉や魚、大豆などがあるが、「大皿で一品をどーんと出すのではなく、魚に豚しゃぶ、納豆、豆腐、そして牡蠣(かき)など、いろいろ並べて楽しみながら食べてもらうようにしている」。自宅で撮った料理写真をスライドで紹介しながら、愛情あふれる工夫を明かした。
セミナーを終えた後、あゆみさんは「すごく楽しかったし、参加者から多くの質問をいただけた。持っている情報を伝えられたと思う」と笑顔を浮かべた。
マラソン・グランドチャンピオンシップ(MGC)では3着だった大迫。あゆみさんはレースを終えた直後の夫の表情を間近で見て、「晴れやかですっきりした表情をしていた。自宅に戻っても明るかった」と振り返る。家では陸上の話題は極力避け、リラックスできる状況をつくることを心掛けている。結婚7年目。これからもトップアスリートの妻として、食事面でも精神面でも夫を支え続ける。
(2019年9月28日、ニッカンスポーツ・コム掲載)