目指せ大谷超え! ロッテからドラフト1位で指名された大船渡・佐々木朗希投手(18)が11月30日、岩手・大船渡市のホテルで入団交渉を行い、契約金1億円、年俸1600万円、出来高5000万円(金額は推定)で合意した。背番号はエンゼルス大谷と同じ「17」に決まり、将来170キロを投げてほしいという思いが込められた。同郷の大先輩に負けない成長曲線を描く。
高校史上最速の163キロを投じた佐々木は、憧れの「17」を背負うことが決まり「期待を込めていただいたと思う。番号に合った活躍ができるように頑張りたい」と引き締めた。「17」といえばエンゼルス大谷。イメージを問われると、力強いまなざしを真っすぐカメラに向けた。「岩手の先輩でもあるし、プロ野球の先輩でもあるので、追い越していきたい」ときっぱり言った。
会見に同席した松本尚樹球団本部長(49)は「将来170キロを出してほしいという、担当スカウトの柳沼の思いもありまして」と説明。大谷が持つ日本球界最速の165キロを超え、前人未到の世界最速を目指すにふさわしい番号だ。佐々木自身も「自分の長所だと思うので、そこは一番を目指して頑張りたい」と受け止めた。
資質は持ち合わせている。必要不可欠はケガの予防だ。現在は球団から渡されたメニューを実行中で「プロの世界に慣れて、強い体を作った上でパフォーマンスを上げていきたい」と資本である体作りを優先し、時を待つ。プロのアスリートとして食事にも余念がない。母の陽子さん(46)は「いろいろ細かく注文されますし、だめ出しもされますよ。果物と乳製品が足りなかったみたいで」。栄養バランスを考えるようにもなった。
契約金1億円、年俸1600万円プラス出来高5000万円。昨年の藤原も球団高卒新人で初となる出来高付きの「マックス契約」だったが、今年から新人年俸の上限が1600万円に引き上げられたため、球団新人史上最高額となった。「チームの一員として日本一が目標。沢村賞が個人としては一番高い賞だと思うので、そこを目指して頑張りたい」。夢と希望と「17」を背負い、大船渡を飛び出す。【久永壮真】
◆球速メモ 日本プロ野球では大谷(日本ハム)が16年CSのソフトバンク戦で出した165キロが最速。大リーグでは左腕チャプマンがレッズ時代の11年4月18日、シンシナティでのパイレーツ戦で球場表示106マイル(約171キロ)をマークしたが、大リーグ統一採用の測定器ではないため非公認。動作解析システム「スタットキャスト」が導入された15年以降の現行システムでは、16年チャプマン(ヤンキース)と18年ヒックス(カージナルス)が出した105・1マイル(約169キロ)が最速。
▼大船渡・佐々木朗希が契約金1億円(出来高払い5000万円)、年俸1600万円の最高条件で仮契約した。契約金の上限が規定された94年以降、最高条件で契約した高卒新人は、今年のドラフトで指名された奥川恭伸(ヤクルト)に続き17人目。ロッテでは昨年の藤原恭大に続き2人目となり、同一球団で2年連続は初めて。公立校の選手では15年高橋純平(県岐阜商→ソフトバンク)に次いで2人目。
(2019年12月1日、ニッカンスポーツ・コム掲載)