全国高校ラグビー大会が27日、大阪・花園ラグビー場で開幕し、東京(東京第1)が3年ぶり(13度目)に出場する。東京第1地区決勝では、早実に22-0と完封勝利。昨年、準決勝で敗れて以来、徹底して磨いてきた守備力とスピードを生かして、代表の座を勝ち取った。
過去20年の中で、東京が2年連続で花園に出場できなかったのは昨年、一昨年が初めて。それだけに今年にかける思いは強かった。
「夏場にどういう練習をしたら全国へ行けるのか、選手たちはその先が見えないので苦労した」と顧問の戸田竜司コーチは振り返ったが、チームは一戦ごとに自信と力をつけていった。7月の全国高校7人制大会に東京都代表として4年ぶりに出場し、WTB熊田力丸主将(3年)らが一足先に「全国」を体験したのも大きい。森秀胤監督は「都大会後も、また一皮むけています」と選手たちの成長ぶりに目を細め、全国で戦える手応えを得ている。
専門家から栄養指導、しっかり食べる
今年のチームは体格的には大きくない。故障者の影響もあるが、LO石井隆也選手(3年)も171センチ。その分、当たり負けしない筋力、瞬発力をつけるため、例年以上に食事とトレーニングをセットにして強化してきた。
食事については年3~4回、専門家を招き、栄養指導を受けている。時期によって保護者対象、選手対象と分かれ「何のために、何を、いつ、どのくらい食べればいいのか」といった知識を学んでいる。
合宿時では、食べるご飯の量は朝が700~800g、夜は900gが目安。それに見合った分のおかずもしっかり食べなければならない。授業がある平日は、各選手とも2リットル程度の保存容器に詰め、さらに弁当を買う選手もいる。
熊田主将は、補食としておにぎりを毎日6個、持参する。手のひらに乗るくらいのサイズで、具にこだわりはなし。172センチ、72キロ。体を大きくするために「休み時間ごとに食べて、空腹がないようにしています」と意識が高い。
戸田コーチは「学んだ知識をどう生かすかは、本人の自覚次第ですが、しっかり食べている子は伸びています」と食事への取り組みがプレーにも影響していると話した。
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