「令和の怪物」のプロ野球人生が、いよいよスタートした。ロッテのドラフト1位右腕、大船渡・佐々木朗希投手(3年)が8日、さいたま市の球団寮に入寮した。

入寮したロッテのドラフト1位佐々木朗は自身の名札を指さし写真に納まる(撮影・垰建太)
入寮したロッテのドラフト1位佐々木朗は自身の名札を指さし写真に納まる(撮影・垰建太)

午後2時過ぎ、両手を後ろに組みながら“新居”に入った。無数のフラッシュを浴びながらも、たじろぐ気配はまるでない。「寮生活は初めてなのですごく不安な気持ちと、これから野球を思う存分できる楽しみな気持ちです」。

堂々と言い切りながら「今日は大船渡からここまで来るのが少し早かったなと思います」としみじみ話した。地元出発時には、大船渡高校野球部の仲間たちが、寄せ書きしてくれたユニホームを手渡してくれた。

本も2冊、持ち込んだ。まずは井口資仁監督(45)の著書「変わろう。」。帯に「成長のために過去の自分を捨てることを恐れるな」と書かれていた。

もう1冊は「プロが教える筋肉のしくみ・はたらき パーフェクト事典」という“筋肉バイブル”だ。「筋肉の名称とかを知っていれば、トレーナーさんと話すときもスムーズに進むと思うので」。知識を最大効率で得られるように、読み進めている。

入寮したロッテのドラフト1位佐々木朗(撮影・垰建太)
入寮したロッテのドラフト1位佐々木朗(撮影・垰建太)

約12畳の部屋で、新生活が始まる。「朝が心配というか、寝坊したらアウトなので気をつけたい」と話す。もともとは小食で、食事も早いほうではないという。「時間に合わせて生活しなければいけない」と、初めての1人暮らしには期待も不安もある。

少しずつ生活リズムに慣れ、11日からは新人合同自主トレがZOZOマリンで始まる。ブルペン入りの可能性は低いものの、座学研修も豊富で、実りの多い期間になるだろう。

「どういった1年になるかはあまり分からないんですけれど、いろいろなことに慣れて、経験を積んで、充実した1年を過ごせればいいかなと思います」。 国内高校生史上最速163キロ右腕は、どこまで羽ばたくのか。球界注目の1年が始まる。【金子真仁】

(2020年1月8日、ニッカンスポーツ・コム掲載)