<キッチンは実験室(34):炊飯の科学>

皆さん、こんにちは。キッチンの科学プロジェクト(KKP)のみせすです。私の最近のブームは土鍋で炊くもっちもちのご飯。一方で、家電量販店に行くと1人暮らし用のリーズナブルな炊飯器から高級炊飯器まで陳列されています。一体、何が違うの? そもそも硬いお米がどうやってつやつやのご飯になるの? そんな科学をご紹介します。

鍋の中で何が起きている?

炊飯とは、米の成分の「でんぷん」が「糊化(アルファ化)」すること。しかし、おいしいご飯を炊くには、ただ糊化すればいいわけではなく、いくつかのポイントがあります。

とある論文によると、おいしいご飯の炊き方として以下のように書かれています。

炊き始めてから10分程度(8~15分)で沸騰させること
沸騰後98℃を20分間保つこと

「初めちょろちょろ、中ぱっぱ、赤子泣いてもふた取るな」といった歌を聞いたことがある方もいるでしょう。様々な言い回しやバージョンがあるようですが、江戸時代から言い伝えられている歌で、食にまつわる歴史とおいしいご飯を炊くためのノウハウが詰まっています。電気炊飯器では、スイッチ1つで炊飯可能ですが、実際、どのようにして米が炊けているのか、鍋炊きご飯を例に見ていきましょう。

次のページ鍋で炊くおいしいご飯、その流れを紹介