2019年10月に「食品ロス削減推進法」が施行されるなど、日本でも社会問題となっている「食品ロス(フードロス)」。家庭では特に「牛乳・乳製品」や「肉・魚」などが多く捨てられる傾向にありますが、冷蔵庫を整理している家庭は食品を捨てる率が低いようです。「オレンジページ」の調査で分かりました。
日本の食品廃棄物のうち、まだ食べられるのに廃棄されてしまう食品は年間643万トン。これは国民1人あたりに換算すると茶わん1杯分(約139グラム)を1年間、毎日捨てた量に相当しますが、実はその約半分が家庭から出ていることをご存じですか?
20歳以上の女性1081人を対象に行われた今回の調査では「知らなかった」との回答が9割弱と、大多数を占めました。
家庭から出る食品ロスを減らそうと「意識している」「どちらかというと意識している」という人は合わせて92.8%。ほとんどの人が食べ物を粗末にすることを「もったいない」と感じていることが分かる結果ですが、それでも約6割の人は、消費期限や賞味期限を過ぎた食品を捨てることが「ある」「たまにある」と回答しています。このことから期限内に消費できない量の食品を購入してしまっていたり、買ったまま使うのを忘れてしまっている状況もうかがえます。
消費・賞味期限が過ぎたり鮮度が落ちたことで捨てたことがある食品は、「牛乳・乳製品」が約6割と最も多く、次いで「肉・魚」「豆腐・大豆加工食品」「野菜・果物」などが続きました。また「餃子の皮」や「調味料」など、使いきれずに少し残ってしまう食材も挙がっています。そのほか、食材だけでなく「おかず」「作り置き」など、作りすぎた料理を食べきれずに捨ててしまうケースも少なくないようです。
食品を買うときに、つい買いすぎてしまうことが「よくある」「たまにある」という人は合わせて63.1%。理由としては「安売りしていると、まとめ買いしてしまう」(77.6%)、「大容量パックなど、お得なほうを買ってしまう」(43.0%)などが多く、「お得」につられて、必要以上に買ってしまっているようです。
食品を捨てたことがある人を“冷蔵庫の整理”状況別に見てみると、「傷んだ食品を捨てたことがある」割合は、「冷蔵庫を整理していない」派が70.6%なのに対し、「冷蔵庫を整理している」派は45.9%と、24.9%も少ないことが分かりました。また、「冷蔵庫を整理していない」派は、「つい買いすぎてしまう」率が12.3%高いという結果も。
冷蔵庫がごちゃごちゃしていると、中身が把握しにくいために、使わずに忘れていた食品が傷んだ状態で見つかる、ということも増えてしまいます。わが家の食品ロスを減らそうと思ったら、「まずは冷蔵庫をすっきり整理する」ことが近道かもしれません。