2016年3月から始めて121回目となる今回で、私の競泳コラムを終えることになりました。最後は私のジュニアスイマー時代の話をしましょう。

「競泳」テーマのコラムは最終回

小学5年生でトップチームに上がった私は、朝礼で具合が悪くなり、保健室に何度も運ばれていました。「軽い貧血」と先生に言われ、母は鉄を意識して食事を出してくれました。

しかし、その状態は1年以上続き、初潮もきて、さらに保健室に行く頻度は多くなりました。今ならドクターに診察してもらうという選択肢があるのですが、当時はそんな考えは思い浮かびませんでした。この状態は中学入学頃に落ち着きました。

練習量に食べる量が追いついていなかった

今考えると、そうなっていた理由が分かります。小学5年生ながら毎日、中高生と同じ約5キロの距離を走り、2時間の水中練習。明らかに食べる量が練習量に追いついていなかったのです。貧血だった可能性は高いものの、エネルギー摂取量が足りないので貧血を治すどころか、生活に支障が出て当たり前の状態でした。

そんな小学生の私が当時、しっかり食事をとるために自分で作っていたおかずがあります。今回は、その「まつだのスペシャル冷や奴」を紹介します。

使う食材は、体の材料となるタンパク質(豆腐・ツナ)、筋肉や血液に関与する鉄(小松菜)、筋肉に指令を伝えるカルシウム(ゴマ)、栄養吸収のために腸を整える食物繊維(キノコ)。スポーツ栄養学を知らないながら作っていたわけですが、今回栄養計算をしてみたところ、アスリートが意識したいタンパク質、鉄、カルシウムがとれる副菜になっていました。

日々、コーチに食事の重要性を説かれていたので、小学生でも興味をもって食事に取り組んでいたのだと思います。今のジュニアアスリートにも食事に興味をもってもらうため、周りの大人が分かりやすく食事を説明できるようになるのが、私の願いで使命です。

今まで、たくさんの方にご覧いただき、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。また違うテーマや形でお会いできると思います。その時を楽しみにしております。

管理栄養士・松田幸子