先日、ある部活動のマネジャーから次のようなSOSが届きました。
「部に、古米や古々米をたくさんいただいたのですが、古米をおいしく炊くにはどうしたらいいですか。おいしい炊き込みご飯は、どのようにしたらできますか」。
いただいたお米はご飯を炊いて、部員におにぎりにして提供しているようですが、収穫してから時間のたったお米の炊き方への不安があり、部員がおいしく食べてくれているのか悩んでいたようです。
古米は収穫から1年以上たったお米
古米とは、収穫から1年以上たったお米のことを言います。お米は1年古くなるごとに古々米、古々々米と呼ばれます。
古米と新米の違いは、古米は新米より炊きあがりが硬い、粘り気が少なくパサつく、米の光沢がなく、色が変わり、古びたぬかのような臭いがするなどが挙げられます。
新米に比べれば味は落ちるかもしれませんが、決して粗悪ではありませんし、十分食べることができます。また、次のように一手間加えれば、古米をおいしく炊くことができます。いずれも家庭にある調味料を使って、誰でも簡単にできるものです。
古米をおいしく炊く方法4点
(1)本みりんを使う
米につやが出て、うま味が増し、古米の臭みが消えます。分量の目安は、古米3合に対して大さじ3です。
(2)はちみつを使う
はちみつに含まれているアミラーゼという酵素が作用して、ふっくらと柔らかくおいしく炊きあがります。分量の目安は、古米3合に対して大さじ1程度。しかし、米が黄色っぽくなりやすく、炊飯器の火力によっては焦げができることがあります。
(3)酢を使う
酢にもはちみつと同じく、アミラーゼという酵素が含まれており、ふっくらとした甘みのある炊きあがりになり、古米の臭みを取り除きます。分量の目安は、古米3合に対して2~3滴程度です。
(4)にがりを使う
にがりにはマグネシウムが入っており、ふっくら弾力のある食感になり、冷めても固くなりにくくなります。分量の目安は米3合に対して3滴程度です。
また、炊き込みご飯やリゾットなどにして、他の具材と合わせて味付けすると、古米を感じにくくなります。
今回は、部活後のリカバリーに適した「ツナとヒジキの炊き込みご飯」を紹介します。ツナ缶を加えることで、体の材料となるタンパク質をとることが出来ます。本みりんを使って米につやとうま味を出しているので、新米でも古米でもおいしくできます。
新米のおいしい季節だけに、そちらを食べたくなるものですが、昨年のお米が残っている場合、おいしくなる裏技を試しながら、お米をしっかり食べてくださいね。