<医療ライター・しんどうとも「メンタル回復法」(23)>
コロナ禍で長引く不安にどう相対すればよいか。「パンデミックブルーから心と体と暮らしを守る50の方法」(亜紀書房)の著者で、杏林大学名誉教授・精神科医の古賀良彦さんに聞いた。
古賀さんによると暮らしの中で感じたストレスを「コーピング」で遠ざけられるとしている。
「心理社会的にいえば、ストレスとは人と人のつながりの中で生じた、心と体のはたらきのゆがみのことだといえます。ストレスはその原因あるいは要因であるストレッサーを全部取り除けばもちろんなくすことができるけれども、残念なことに実際はそう簡単なことではありません。それならば、ストレスに対して上手に対処しようというのが“ストレス・コーピング”という方法なのです」
人と人との関係は複雑で、すぐさま解決できるものばかりではない。ストレスをもたらしているストレッサーをすっきり無くすことは難しくても、そのストレスにうまく対応すればいいというわけだ。
「生じたストレスをなんとかやりくりして、自分がストレスに負けないようにしようという風に思っていただければよいでしょう。コーピングとしてストレスに対処する方法にはいろいろなものがあります。いずれも基本的には“ためてはいけない”、“持ち越さない”ことがとても大切なんですね」
ビジネスシーンにおいては月曜日、前週のストレスから解放されていればよいぐらいがコツだそう。次回からその内容を紹介しよう。
(2020年11月20日、ニッカンスポーツ・コム掲載)