<医療ライター・しんどうとも「メンタル回復法」(26)>

息をゆっくり吐きだす力をゆるめたら、空気が自然に入ってくる。それがリラックスできる呼吸のコツだ。「パンデミックブルーから心と体と暮らしを守る50の方法」(亜紀書房)の著者で、杏林大学名誉教授・精神科医の古賀良彦さんはこう話す。

「入ってきた空気をまた、あーっと声を出しながら普段の2、3倍の時間をかけてゆっくり吐いていく。副交感神経がはたらいている時間も長くなるので、体のいろいろなはたらきもゆるむことになる。それに伴って気持ちも穏やかになるというわけです」

呼吸法はきちんとした理屈があってのリラクセーションなのだ。実際にやってみると、風呂でもどこでも気が緩む。

「呼吸法はまったくの無手勝流でどこでもできる方法です。いざとなれば電車の中でもできるのでおすすめだと思います。入浴時でも風呂あがりでも構いません。髪の毛でも乾かしながらやればいいわけです。そうして副交感神経のはたらきを少し高めてあげることで、気持ちも体もゆるめてあげるといったことだと思います」

「Relaxation」が気持ちをリラックスさせたい時に役立つのなら、3つめの“R”は「Recreation(レクリエーション)」だ。

「Recreationは、英語では、リ・クリエーション。もう1回つくり直すということです。ストレッサーでひずんでしまった心と体のバランスをつくり直すのがレクリエーションの役割ですね」健康な心と体を取り戻すレクリエーションは次回紹介しよう。

(2020年11月24日、ニッカンスポーツ・コム掲載)