<医療ライター・しんどうとも「メンタル回復法」(28)>
長引くコロナ禍。感染拡大第3波の恐れも。「パンデミックブルーから心と体と暮らしを守る50の方法」(亜紀書房)の著者で、杏林大学名誉教授・精神科医の古賀良彦さんが指摘する。
「コロナ禍はまさに“長いストレッサー”です。昨年の今頃はコロナなんて考えてもなかったでしょう? 光が見えない中、極端にはパニックになったり後ろ向きになっていくのが心配ですね」
ワクチン開発に希望があるがまだ時間がかかりそうではある。
「自分ではどうしようもない、解決できないストレッサーがずっと1日の生活を支配している状況にあって、それにストレス対処の方法をそれぞれ編み出していくしかありません。それにはストレス・コーピングの3つの“R”を念頭に行動していくのが大事だと思います」
3つのRとは、先にも紹介した「Rest(休養)」「Relaxation(リラクセーション)」「Recreation(気晴らし)」のこと。積極的にストレスに負けない努力が必要だ。
「ちょこちょこっと自分なりにできるいろんな息抜きの方法をやることだと思います。スポーツもいい。長続きさせるためには夢中になるようなものより合わせ技。たとえば、駅ひとつ分歩くとか、歩いて買い物に行く、通勤も近くて天気がよければ自転車にするとか。あまりお金をかけず、楽しみながらケガのないように」
毎日じゃなくてもいい。たいそうなことでなくてもいいと古賀さんはアドバイスする。ひと工夫でストレス退散だ。
(2020年11月29日、ニッカンスポーツ・コム掲載)