東京オリンピック(五輪)取材のために来日した海外メディア関係者が、日本のコンビニエンスストアを大絶賛していることが話題になっている。コロナ禍で厳しく行動が制限され、外食に出歩けない海外メディアの記者たちは、ホテルに併設されたコンビニを利用することが多いが、その充実した商品ラインナップやきめ細やかなサービスにすっかり虜になっているようだ。
おすすめ商品はおにぎりや温泉卵…
独占放映権を持つNBCテレビは「コンビニは街のワクワクする場所」「日本ではコンビニでご飯を買うことは珍しいことではない」「アメリカのコンビニでは売られていない色々な物が買える場所」と紹介。おすすめ商品としておにぎりや温泉卵、卵サンドイッチを挙げ、「パスタを買ったら電子レンジで温めてくれる」と日本ならではのサービスにも触れた。「突然の雨にも傘やレインコートがあるから安心」「携帯電話の充電ができ、Wi-Fiが利用でき、メイク用品まで買える」とも感動したようだ。
お菓子好きにはパラダイス、カレーパン絶品
同様に、同局のフロリダ放送の記者は「日本のコンビニはお菓子好きにはパラダイス。アメリカのコンビニとは次元が違う」とラインナップの充実ぶりに感嘆。おにぎりやパンについても伝え、「中でもカレーパンは絶品で、お気に入りは梅おにぎり」とした。食べ物以外にも「イベントのチケットやトイレットペーパー、時には洋服まで買えて銀行のATMもある」とし、「日本の隠れた宝」と表現した。
「きのこの山」がチョコ菓子だった?!
USAトゥデイ紙は「記者と一緒に体験する東京五輪の舞台裏」と題した記事で、「これまで訪れた40カ国ほどの中で、日本ほど総合的に創造的で偏在的にパッケージされたスナック菓子が売られている国はない」と称賛。「甘いものかうま味のあるものだけでなく、塩辛いもの、漬物や砂糖を使ったもの、サクサクしたものからグミのような柔らかいものまで、ありとあらゆる食べ物があり、思いつく限りの物が日本のコンビニでは見つけることができる」と評した。また「日本語が読めないため、パッケージの絵や写真を見て中身を想像しながら買った」という記者が「『きのこの山』がチョコレート菓子だったことに驚いた」という体験談を掲載した。
SNSに「コンビニ愛」の投稿が続出
アメリカのコンビニは、ガソリンスタンドに併設されていることが多く、給油のついでに立ち寄る程度。商品も飲み物やスナック菓子が中心で、おにぎりやお弁当の文化はないため、温かい食べ物はピザかホットドッグくらい。また、日用品などもあまり扱っていない。そんな国から来た記者たちには、日本人にはおなじみのコンビニもちょっとした異文化を体験できる場所になっているようで、SNSに“コンビニ愛”を投稿する記者も多く見受けられる。
「取材を終えた深夜でもドアが開いていて、棚に商品が並んでいて、温かい食べ物が買えるコンビニは最高」というツイートや、NBAで活躍するバスケットボール日本代表の八村塁がコラボした「『カップヌードル氷見カレービック』を見つけた」とつぶやく記者もいた。カナダのCBS放送でレポーターを務める元スピードスケート選手で冬季五輪に2度出場したアナスタシア・バクシスさんは、コンビニのおにぎりを開けるのに悪戦苦闘する動画を投稿し、日本語で「助けて」と呼びかけて話題になった。
【ロサンゼルス=千歳香奈子通信員】