<令和もサンマざんまい(3)>
「さんま、さんま、さんま苦いか塩っぱいか」。
サンマというと、この佐藤春夫の詩「秋刀魚の歌」の一節を思い出す人もいるかもしれません。谷崎潤一郎の妻に思い焦がれる佐藤春夫が、1人わびしくサンマを食べている。サンマの内臓の苦さに、涙の塩味が加わって、より佐藤春夫の胸の痛みが伝わってくるという、そんな詩です。
佐藤春夫が和歌山県出身だったこともあり、かつてサンマの一大産地であった和歌山県那智勝浦町には、この詩碑もあるほどです。サンマにまつわるこうした文学的な意味合いも、とても面白いですよね。今日は、佐藤春夫が味わった焼きサンマではありませんが、旬の新鮮なサンマを生でおいしくいただくレシピです。
生のサンマを3枚におろすのはちょっと面倒。そこで、刺し身用になったサンマをスーパーで見つけたらぜひ作ってみてください。
キュウリを皮ごとすりおろして作る緑酢は、作って時間がたつと変色してしまうので、いただく直前に合わせてください。
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