Q、朝食は何を食べましたか。しっかりと食べてきましたか。
A、練習があるときは、野菜などを食べないことが多いです。食べると、なんだか動けないような気がするので。

このような会話をサポート選手とするときがあります。これを読み、皆さんはどう思われますか。

毎週末の練習試合はバランス重視の食事で

スポーツ栄養の基本では、「試合前は、食物繊維や脂質など消化の悪いものは控える」とされています。しかし、毎週末の練習試合や練習では、あまり意識する必要はありません。

成長期のアスリートはまず、バランスの良い食事をしっかりと摂り、体に必要な栄養摂取を考える必要があります。毎週土日の朝食や昼食が、ほとんど炭水化物のような食事になってしまうと、体が大きくなるための栄養が不足してしまうのです。もちろん、大切な公式戦の日などは、消化や吸収までを意識した献立にするのがベストです。

選手たちにはいつも、大きな試合を見据えてこのように伝えています。

「全国大会出場が決まる試合など勝負の時は、自分が思っている以上に緊張して食べることが出来ないこともある。また、もし食べることができても、消化吸収能力が下がってしまうこともある。だからこそ、普段の練習や練習試合では、ある程度食べても動くことができるくらいの状態でいてほしい」と。

食べ方や消化能力は1人1人違いがあります。日々の練習の積み重ねの中で、自分にはどのような食べ方が合っているのかを試してみることも大切です。隣の選手と自分とは食べ方や栄養の取り方が異なっているはずです。

試合時の栄養補給方法も日頃から練習

また、試合時の栄養補給についても「エネルギーゼリーをハーフタイムで摂ると動けない気がする」「スポーツドリンクが嫌で、試合中は水だけにしている」とアドバイスを受け入れない選手もいます。猛暑の中での試合でスポーツドリンクを上手に利用できるかどうかは、試合終盤のパフォーマンスに大きく影響します。サッカーでドリブルができなかったら練習をするように、エネルギーゼリーやスポーツドリンクを飲む練習も、同じように考えてもらいたいものです。

夏に大きな大会を控え、それに向けた準備をしている選手も多いでしょう。練習試合は競技力を試すものだけでなく、栄養補給に関しても本番を想定した練習の場です。どのような目的で食べているのか、飲んでいるのかを理解して、食べ方や飲み方を試し、大一番で良いパフォーマンスができるよう準備をしていきましょう。

今回は、朝食でも食べやすい「アサリとキノコのらくらく炊き込みご飯」を紹介します。アサリから不足しがちな鉄分がたっぷりと摂取できます。

私が子どもの頃、静岡県は潮干狩りを楽しむことができたほど、アサリの漁獲量が多かったのですが、近年はとても減少しているようです。今回は、時期を問わず使え、扱いやすい冷凍アサリを使用しました。

キノコは冷凍保存でストック

キノコは冷凍保存が便利な食材です。エノキタケもブナシメジも冷凍保存をしておけば、調理当日は包丁を使う必要もありません。お好きなキノコを使ってください。お好みで太めの千切りにしたニンジンや短冊切りにした油揚げなどを加えると、より栄養価も高まります。

アサリとキノコは凍ったまま炊き込めます
アサリとキノコは凍ったまま炊き込めます

静岡スポーツ栄養研究会/管理栄養士・青島千恵