インバウンドで賑わう浅草に4月1日、新しいコンセプトの天ぷら店がオープンした。こだわりの日本食材を使った天ぷらを、他店にはない演出で楽しめると聞き、さっそく訪ねてみた。【アスレシピ編集部】
いつでも満開の桜がお出迎え
浅草駅から徒歩0分、雷門からも徒歩1〜2分の場所に位置する「Tenpura Asakusa SAKURA」。店内に入ると目の前には桜の花道が広がり、満開の桜の下で友人や家族とおいしい天ぷらが楽しめる。オールシーズン日本の「お花見文化」が味わえる格好だ。
海外にはフライはあるが、天ぷらのようなサクッとした食感の揚げ物が少ない。そこで天ぷらに的を絞り、メニューにもこだわりの日本食材や飲み物をそろえたという。外国人に多いグルテンフリーを意識し、天ぷらの衣には米粉を使用。ベジタリアン向けに野菜のみのコースも用意する。そんなこだわりが受けてか、オープン間もないながら、検索や口コミでイギリスやアメリカ、オーストラリアなど各国の旅行者から予約が絶えない。
食事の始まりは、全員での乾杯から。スタッフの先導で全員が腹の底から声を出し、「KANPAI!」と叫ぶ。この演出は開店当初にはなかったそうだが、オリジナリティを追求する中で導入したところ狙いは的中。乾杯の瞬間にゲスト全員が一気に打ち解け、その後の食事のおいしさも増すようだ。
前菜の豆腐3種の食べ比べの後、お待ちかねの天ぷらがスタート。我々のオーダーは車海老を含む海鮮3種と旬の野菜7種が味わえる「SAKURAのおまかせコース」。最初の一皿には外国にないコンニャクを取り入れ、のっけから驚きを誘う。
食材にもこだわる。車海老は活きたものを毎日店内で締めて提供。厚切りサツマイモの天ぷらには「紅あずま」を選び、蒸しと揚げに40分かけてスイーツのような甘みを引き出す。上にこんもりと盛られたニンジンのかき揚げも試作を重ねたという力作だ。品種改良前のネギ本来の香りが楽しめる千住ネギや、旬の野菜も取り入れ、季節感あふれるラインアップとなっている。
歌舞伎風の掛け声に外国人から歓声
天ぷらそのものの味わいや、器と盛りつけのコラボレーションもさることながら、さまざまな演出も「SAKURA」の特徴だ。後半に登場する車海老は、燻製機を使用したパフォーマンスで紹介。クライマックスに歌舞伎風の「Yo~!(よ~!)」という掛け声がかかると、外国人から歓声が上がるそうだ。
メニューは前述の「SAKURAのおまかせコース」と、旬野菜10種が味わえる「野菜のおまかせコース」の2種。さらに食事に合わせ、日本酒やノンアルコールのペアリングが用意されている。全てのペアリングに自家製の酵素ドリンクが組み込まれ、料理とのマリアージュが堪能できる。
席はカウンターのみの10席で、60分ごとの入れ替え制(完全予約制)。コースの説明は日本語のほか、英語でも行われる。「SAKURA」でのひと時は、日本で初めて天ぷらを食べる外国人にも、天ぷらを食べ慣れた日本人にとっても、エキサイティングな思い出となるに違いない。
住所:東京都台東区雷門2丁目18-16 THE CITY 浅草雷門7F
電話:03-6284-7307
営業時間:12:00~15:00/17:00~20:00
定休日:日曜日
HP:https://tempura-asakusa.com/ja/top/