昨春、選抜高校野球に出場、昨夏は西東京大会決勝進出と、東京の強豪校として注目される東海大菅生。選手たちのほとんどが寮生活を送り、月曜日から土曜日まで朝、昼、晩の3食とも、校内の食堂で食事を摂っている。
食事を担当するのは、給食委託運営会社・日京クリエイトの山本修一さん。「本社で栄養のバランスを考えて、スポーツ選手用に6週間分のメニューを作成します。ただ、同じものが続くと飽きてしまいますので、そのメニューを基本に、1品別のものに変えたり、という工夫をしています」と説明する。
ビックリしたのは、おかずの品目が多いこと。これだけあれば、多くのご飯を食べられるはず。
「スポーツ選手ですから、ご飯を食べる量が多いので、なるべくおかずの数を増やすようにしています。あとは、肉の方が選手は喜んで食べますよね。でも、肉が続くと脂肪ばかりが増えてしまいますから。肉、肉、肉ときたら魚を入れる。魚もできるだけ食べやすいように料理するようにしています」(山本さん)。
なるほど、この日もアジを揚げてあんかけにするなど、選手ができるだけ好んで食べるために、調理の工夫がされている。
「おかずの種類がたくさんあっておいしいです。種類がたくさんあるので、栄養をとれると思います。スポーツをするには多くの栄養を取った方がいいと思うので」(本橋実生外野手=3年)と、選手からも好評だ。
必ず計測、マネジャーチェック
夕食は、1杯500gのご飯を2杯食べるのが規則。ご飯500gというのは、漫画や昔話に出てくるような、お茶碗山盛りのお米。1杯目はその日の食事当番の選手が盛るが、2杯目からは自らが盛る。その際には1人1人分量を計測し、マネジャーがチェック。2杯必ず食べたことを用紙に書くというシステムだ。
計った際に500g以下だった場合はやり直しで、2度目の計測時は30g上乗せのペナルティーが課せられるのだとか。ちょっとでも軽くごまかそうとしたら深みにハマる!? 厳しいオキテがある。
選手たちは年に3~4回、各1時間ずつ、栄養講習会を受けているというから、その意識は高い。
人気メニューはやはり肉
そこで選手に聞いてみた【寮食ベスト3】
3位 チキン
2位 生姜焼き
そして第1位は、唐揚げ~!
う~ん、やっぱり選手たちは肉が好きなんだなぁ。
「片付ける時に、残りものが少ない時はうれしい。作りがいがある。一番うれしい瞬間ですね」(山本さん)。午前と午後、授業の合間には、補食として1人1個ずつのパンが配られるなど、食生活を全面フォロー。“寮飯”でパワーをつけ、東海大菅生は今年の夏、甲子園出場を目指す。【保坂淑子】
ご飯の多さにビックリですが、食べることが重要な時期ですので、しっかり食べて下さいね。梅干しやふりかけで味の変化をつけても良いでしょう。おかずの種類が多いと選ぶ楽しみもあります。体を作る栄養素タンパク質は、さまざまな食品から摂取することが大切ですので、おかずも残さず食べて栄養バランスを整えましょう。
フリーライター、エディター。日刊スポーツ出版社刊「プロ野球ai」デスク、「輝け甲子園の星」の記者を務める。「輝け甲子園の星」では“ヨシネー”の愛称で連載を持つ。「ヨシネーのひとりごと」(ニッカンスポーツコム)も連載中。