<Bリーガーの食卓・辻直人>

 男子プロバスケットボールBリーグ、川崎ブレイブサンダースの辻直人(27)は、高校、大学、トップリーグでの全国制覇に貢献した日本屈指の3ポイントシューターだ。

 司令塔としてもプレーできる万能選手は、チームと日本代表とで多忙なスケジュールをこなす。6月のトップリーグプレーオフ終了後、すぐに日本代表に合流し、7月上旬にはセルビアで行われたリオ五輪最終予選を戦った。完全休暇は5日程度。今はイランで行われているASIAチャレンジのため、日本代表として遠征中。年間通したコンディション調整が難しい。

川崎の辻直人
川崎の辻直人

 「帰国はBリーグ開幕の3日前。正直、コンディションは良くないと思います。それでも開幕戦はいいパフォーマンスをしたいですが、シーズン中も焦らず、体作りを継続していきたいです」。そんな辻に、日々戦うための食の秘訣を聞いた。

サラダの具を食べやすく工夫

 シーズン中は油ものを控えて、とにかく野菜を食べるようにしています。栄養士さんから「野菜をとると疲れの蓄積が軽減される」と聞いてから、毎食、緑黄色野菜を含め、バランスに気を付けながら食べています。

 ただ、すごく野菜が好きというわけでなく、体のために食べているだけなので、野菜とドレッシングだけの“ザ・サラダ”を食べ続けるには抵抗があります。そこは奥さんに工夫をしてもらって、ささみやアボカドが入った、おいしくガツガツ食べられるようなサラダを作ってもらっています。

母の愛情、1人暮らしでも冷凍おかず

 高校時代のお弁当には、親が「身長が伸びるように」と毎日、めざしを2、3尾入れてくれていました。高校入学時に178センチだった身長が、1年で184センチまで伸びましたから、もしかしたら、めざしのおかげだったかもしれませんね。

 1人暮らしだった大学時代も親に助けてもらっていました。ハンバーグや魚の煮つけ、カレーなどを冷凍して送ってもらって、他のおかずは近くで購入して食べていました。当時は栄養に関する知識があまりなかったのでサラダは食べていませんでしたが、そのころから知識があればよかったなと思います。

 Bリーグの開幕に伴い、社員選手からプロ選手に転向しました。プロになったからには、今まで以上に体調管理を徹底しなければなりません。昨シーズンも胃腸炎で欠場しましたし…。そういうことは、なくさないといけませんね。【青木美帆】

辻直人(つじ・なおと)
辻直人

 1989年(平1)9月8日、大阪府出身。高鷲中-洛南高-青学大-東芝ブレイブサンダース(現川崎ブレイブサンダース)。185センチ、82キロ。ポジションはシューティングガード。