<冬のスポーツ観戦:防寒対策(上)>
野球のシーズンが終わり、ラグビーやフィギュア、アイスホッケーなど、ウインタースポーツの季節になってきました。ご自身はもちろん、お子様のスポーツ観戦に付き合う親御さんも多いのではないでしょうか。
冬のスポーツ観戦の大敵は「寒さ」です。温かい格好をしていったものの、寒さで観戦に集中できなくなったり、後日体調を崩してしまったりしては心から楽しめません。ここでは、冬のスポーツ観戦をもっと楽しめるよう、管理栄養士の山崎みどりさんにアドバイスをいただきながら、食での寒さ対策をレクチャーしていきます。
まず、冷える要因を知りましょう。冷える要因は2つあります。1つ目は、気温が低いところに長時間いることで体温を奪われていく、外から感じる寒さ。2つ目は、ずっと外で座っていることで血行が悪くなり、血管が収縮して温かい血液を体全体に運ぶことができなくなる体の内側からくる寒さが挙げられます。
食べるだけで体温上昇、汁物が効果的
今回は、ラグビーなどの野外観戦にスポットを当てて対策を紹介します。野外観戦は、外的要因、つまり冷たい風などに長時間さらされることで急激に体温を奪われることが冷える一番の原因です。対策として、冷えに効く食べ物を摂ることが必要です。
すぐに体を温める食材は、簡単に手軽に野外でも食べられる汁物がいいでしょう。おすすめのレシピは、味噌汁、豚汁です。
豚汁には多くのタンパク質が含まれており、食事誘導性熱産生(食事をするとエネルギー代謝が上がり、体が熱くなる)が高いのです。また、汁物に七味やショウガなどを入れると、トウガラシのカプサイシンやショウガのショウガオールの作用で血液循環が良くなり、体が温まります。汁物や飲み物など吸収が早いものを保温できるジャーに入れて持っていくといいでしょう。
逆に注意したいこともあります。体が冷えた時にホットコーヒーなどを飲んでしまいがちですが、コーヒーや緑茶は体を冷やしてしまいます。持って行くなら紅茶。ショウガ紅茶にすると、より体が温まるのでおすすめです。
防寒対策は食事からもできるもの。ちょっとした食事から体を温め、元気に冬のスポーツ観戦を楽しみましょう。【藤野綾子】