パクチーで苦い思い出を!? WBA世界ミニマム級タイトル戦(14日、タイ)に挑む同級14位小野心(33=ワタナベ)が7日、都内のジムで練習を公開した。

気合の表情を見せる小野
気合の表情を見せる小野

 世界戦で日本人が通算20敗1分けの鬼門タイ。「リトル・パッキャオ」と称される王者ノックアウト・CPフレッシュマート(26)の地元戦の対策を聞かれ、「苦手だったパクチーを食べてます。タイ人に勝つという、ちょっとジョークが入ってますが…」と照れ気味に口を開いた。

 香りが独特なタイ料理の基本食材。4月の現地での試合時には、辛いもの、パクチー抜きをリクエストしたほどだった。ただ、その苦手の克服が、精神的なタイ対策になると思った。冗談半分でも、人生をかけた大一番にできることは何でもやる。「もう普通に食べられます」。ビタミン豊富な香草は、体にも好影響を与えるはずだ。

 14年5月にIBF世界ミニマム級王者高山勝成に挑み、0-3の判定負けした。2度目の世界戦。技巧派サウスポーは「まだ言えませんが」と秘策も練る。16年の「今年の一皿」にも選ばれたパクチー料理。ブームの流れにあやかり、試合も勝ち馬に乗り、相手に「苦」杯をなめさせてみせる。【阿部健吾】

(2016年12月8日付日刊スポーツ紙面掲載)