<西武4-2ソフトバンク>◇9日◇メットライフドーム

9日のソフトバンク戦1回裏、先制の中犠飛を放った西武中村(中央)はナインとハイタッチ(撮影:鈴木みどり)
9日のソフトバンク戦1回裏、先制の中犠飛を放った西武中村(中央)はナインとハイタッチ(撮影:鈴木みどり)

 狙い澄まして振り抜いた。2点リードの6回無死一塁。西武中村剛也内野手(33)が内角高めの直球を弾丸ライナーで左翼線にはじき返した。「インサイドに来るかな、と思っていた」という読みきっての二塁打。貴重な2得点につなげる好機を演出し、チームを勝率5割&ソフトバンク戦勝ち越しに導いた。

 希代のホームランアーチストが、ヒットメーカーとして打線を支えている。8回に左前打を放ち、今季3度目のマルチ安打。「(状態は)まあまあじゃないですか」と素っ気ないが、開幕から8戦連続安打。打率はチームトップの3割6分7厘に上昇し「スイングの軌道が安定しているかなと思う」とうなずいた。

 今年で34歳。頭と体の疲れをより早く軽減させるため、試合後に鶏むね肉をガンガン食べている。肉体だけでなく、脳疲労の回復効果もあるというイミダペプチドを多く含有。開幕戦後に上本から勧められて食べ始めた。「翌日の目覚めもよくて、シャキッとする感じなんですよ」。コンビニでまとめ買いし、この日の試合後もしっかり、かじりついた。

 昨季、故障で悩まされた膝への負担を軽減するため、体重も約4キロ絞って臨む今季。1回には先制の中犠飛を放ち、4番として「最低限の仕事」をきっちり果たした。「ヒットが出てよく走ってますけど、膝は全然問題ないです」と鶏肉効果? でコンディションも良好。やっぱり安打のおかわりでは、物足りない。「前々から欲しがってますけどね」と苦笑いする1号アーチが飛び出すのは、もう時間の問題だ。【佐竹実】

(2017年4月10日付日刊スポーツ紙面掲載)