食事で体を変えたプロゴルファー矢野東(40=フリー)が、日常的にバランスの良い食生活を送ることの大切さを語った。
シーズン中、ゴルフの試合は練習ラウンドも含めると6日間の戦い。試合日の昼食はしっかりしたものがとれないため、朝食で、1日を戦い抜ける高カロリーのものをとるようにしている。
「実はさっぱりしたものが好きで、夏の暑い時期は、そばを食べたいけれど、無理してお肉を食べています」。夜は、好みのものを食べてリラックスすることを重視。その上で、栄養バランスを考えるようにしている。
2014年3月に結婚した裕美夫人は、さまざまな栄養の勉強をして矢野をサポート。「家では“完璧なご飯”を食べているので、外では、家で出されているものをイメージしながら栄養バランスを考える」。朝には必ず、季節の野菜や果物をふんだんに使ったスムージーを摂取。「体にいいものを取り入れていると実感している」と、食の習慣が自信につながっている。
昼ご飯がなくなればいいのに
子どもの頃はやせていて「食事は大嫌い。特に昼ご飯はなくなればいいのに、と思っていた」と言うほど、食が細かった。全日本学生王座決定戦を制した日大時代も、176センチで60キロ程度の細身だった。
しかし、プロになると「このままでは限界があると先が見えた」と、24歳から肉体改造に取り組み、約3年かけて10キロ増量。オフにたっぷりトレーニングをしてもシーズン中は5キロ減るが、それを繰り返しながら筋肉量を増やした。
その中で常に意識していたのが、食事内容とタイミング。「トレーニングを頑張ったら、頑張った分の成果を出したい」。練習後、すぐに鶏肉でタンパク質を摂取、アルコールも止めるなど食事にも気を配ることで、勝利を手にするようになった。
右ひじ手術でさらに食事意識
6月に公傷制度を使って右ひじを手術(上腕骨外側上顆炎)、術後は順調だ。「以前から、食べるものでケガの治りが変わると思っている」とバランスの良い食事とともにサプリメントも摂り、足りない栄養素がないように心がけている。
将来、プロを目指すジュニアゴルファーに向けて「ゴルフに関しても体が大きければ大きいほど、体が強ければ強いほど有利。成長期の選手は、自分の体の成長を助けるものを食べて欲しい」とアドバイス。さらに試合に臨むときには「朝と昼はしっかり食べて欲しい。集中力も落ちるし、いいパフォーマンスも出せないから。夏はあっさりしたものばかり食べたくなるけど、肉など高カロリーのものを頑張って食べた方がいいですね」と話していた。
■31日まで「丸の内パワーフード」
矢野は10日、東京・丸の内・有楽町・大手町エリアで開催されている参加型スポーツイベント「MARUNOUCHI SPORTS FES 2017(丸の内スポーツフェス2017)」のトークショーに参加。グルメフェア「丸の内POWERFOOD」で提供されている食事を試食した。同フェアは「CHARGE」「BURN」「COOL DOWN」の夏のカラダをサポートする3つのテーマで、食べやすくて栄養が摂れるメニューを用意している。丸ビル、新丸ビルなど90店舗を超える飲食店舗で、31日まで実施している。
1977年(昭52)7月6日、群馬県生まれ。10歳からゴルフを始め、富岡高-日大。98年関東アマ、98、99年全日本学生王座決定戦などで優勝。00年プロ転向。05年アサヒ緑健よみうりメモリアルで初優勝。08年は2勝を挙げ、賞金ランク2位。176センチ、75キロ。