<パインデトックス:上>
パイナップルの酵素で肉が柔らかくなる、という話は聞いたことがあると思いますが、この「酵素パワー」はそれ以上のすごい働きを持つことをご存じですか?
このたび、ドール「バナナ・パイン研究所」による「パインデトックス」啓発セミナーが都内で開催され、パイナップル独自の酵素「ブロメライン」の働きと、美容・健康効果が報告されました。
腸の残留物で病気のリスク
ブロメラインはタンパク質分解酵素。肉を柔らかくする、つまり、タンパク質をアミノ酸に分解する手助けをしてくれます。パイナップルを食べて、舌がピリピリと痛くなった経験はありませんか? 舌の粘膜を刺激したのが、この分解酵素です。通常、タンパク質は胃で消化されますが、ブロメラインの助けがあれば、胃や腸の負担が軽くなるのです。
タンパク質は体を作る材料で、成長期やアスリートにとって大切な栄養素ですが、特に動物性タンパク質に偏った食生活で過剰摂取すると、消化しきれなかったタンパク質が腸に残ります。すると、窒素残留物が発生し、腸内腐敗や末梢の血流障害を引き起こし、便秘や肌荒れ、さらには大腸がんや動脈硬化などの病気のリスクが上がるといいます。
きれいな腸のおならは臭くない
酵素栄養学の第一人者、鶴見クリニック理事長の鶴見隆史氏は「タンパク質の消化を助けるのは、生の野菜やフルーツの酵素。中でも南方系のフルーツに多く、特にパイナップルのブロメラインは効果が高い」と話し、自身も毎日、パイナップルを食べていると明かしました。また「おならが臭いのは、タンパク質を摂りすぎているから。においの元は腸の残留物」と、きれいな腸なら、おならは臭くないと説明しました。
この酵素は60度以上の加熱で働きが失われてしまうので、生で摂るのがポイント。食後や食間に、生のパイナップルを数切れ食べると良いようです。
栄養素を効率良く取り込むために、消化の面を考えても、フルーツを含むバランスの良い食生活が大切。食習慣の中に、パイナップルの力で体をきれいにする「パインデトックス」を取り入れてみてはいかがでしょうか?