巨人山口俊投手(30)が23日、川崎市内のジャイアンツ球場で調整を行った。24日の中日戦に先発予定。川中島の戦いへ、銀シャリをかき込む。「今夜は無理してでも米を食べる。たくさんため込みます」とベルトを緩めた。登板前日に多量の炭水化物を摂取することは「カーボ・ローディング」と呼ばれ、エネルギーの蓄積が可能。同じく3連勝と勢いに乗る中日戦へ、2戦連続完投に向けた仕上げを行う。

室内練習場での調整に臨む巨人山口俊(左)。右は菅野
室内練習場での調整に臨む巨人山口俊(左)。右は菅野
 

 自身の石高(こくだか)が兵力となる。現在、セ・リーグは1位DeNAから4位の巨人、中日、ヤクルトが3ゲーム以内の戦国時代。勝ち抜くための秘策は「米を食べる」ことだ。14年の結婚後は朝食を重視。起床後はどれだけ時間が早くても必ず白米をほおばる。「炭水化物を取って体を起こす」と脳に糖分を送り、戦闘態勢に突入。日々の練習の質を高めている。

 米どころの追い風も吹く。勝てば最下位脱出となる合戦の舞台は上杉謙信と武田信玄が覇権を争った長野。同県は10アール当たりの米の収量が全国1位(16年度)。県内産コシヒカリが食味ランキングで「特A」を受賞し、量と質を兼ね備えている。前週も日本一の米どころ新潟で今季初完投。「長い回を投げる意識で行くがペース配分するより1人1人を全力で抑える」と長野の米が一騎当千に導く。

 いざ戦いへ。「どれだけ自分のボールで勝負できるか。集中していきたい」と白米を力に、白星をむんずとつかむ。【島根純】

(2018年4月24日付日刊スポーツ紙面掲載)