<ロッテ2-1オリックス>◇21日◇ZOZOマリン

 ロッテのマイク・ボルシンガー投手(30)が11連勝を飾った。キレのいい速球と、変化量の大きなカーブを武器にオリックス打線を8回6安打1失点に抑え、両リーグトップの12勝目をマーク。11試合での11連勝は、球団では1985年(昭60)の村田兆治以来。来日1年目にして、大エースの記録に肩を並べた。

ロッテ対オリックス 先発で登板し力投するロッテのボルシンガー(撮影・中島郁夫)
ロッテ対オリックス 先発で登板し力投するロッテのボルシンガー(撮影・中島郁夫)

両リーグトップ12勝目

 ファンに「ボル神ガー」と呼ばれるのも納得の勝ちっぷりだった。ロッテ・ボルシンガーは感慨深げに喜びをかみしめた。「自分の力だけじゃできない記録。チーム一体となって試合に臨んだ結果だよ」。5月4日から無傷の11連勝。64年スタンカ(南海)15年マイコラス(巨人)の外国人最多記録に並んだ。登板11試合で11勝は、ロッテでは85年の「サンデー兆治」こと村田兆治までさかのぼる。

 強風でボール先行になり、4度先頭打者に安打されても、8回をソロ1発のみの最少失点に抑えた。「大丈夫。いつでもゴロを打たせられる武器がある」。持ち球のナックルカーブが心の余裕を生む。マウンドで焦ることはまずない。

白米に魚も積極的に

 日本流の調整で日本の夏に順応した。自宅のある米テキサスをも上回る湿度と猛暑には和食で。「日本のものでパワーをつけたい。ご飯は力になる」。白米に肉野菜炒めをのせ、魚も積極的に食べた。また元来の勤勉な性格に、日本野球はハマった。投げない日もノートを持参し、配球を研究。登板前日に球場でその日の試合映像を見た後、家でも前回の自身のオリックス戦登板を復習する。「日本に来て、初めてルーティンが確立できた。日々の準備、努力1つ1つが実を結んでいると実感する」。

ロッテ対オリックス マーくん人形を自分のベビーのように抱くロッテのボルシンガー。左は田村(撮影・中島郁夫)
ロッテ対オリックス マーくん人形を自分のベビーのように抱くロッテのボルシンガー。左は田村(撮影・中島郁夫)

 12勝も防御率2・07もリーグトップ。既に球団オプションで来季残留の方針が固まっており、井口監督は「球威、精度ともに上がっている。『エース』としてローテーションを回ってくれている。このまま最後まで投げてほしい」と最大限の賛辞を贈った。

 12勝中7勝がZOZOマリンで、本拠地登板は7戦全勝。ヒーローインタビューにももう慣れた。お立ち台に立つともらえる球団マスコット「マーくん」のぬいぐるみは自宅にたんまりある。「(6月末に生まれた)息子と奥さんと、たくさんのマーくんで家族写真を撮りたいね」。マーくんが家族の一員に思えてくるほどロッテになじんだ助っ人が、井口ロッテを中心で支える。【鎌田良美】

 ◆記録メモ ボルシンガーが5月4日日本ハム戦から11連勝で12勝目を挙げた。外国人投手のシーズン11連勝は、64年スタンカ(南海)15年マイコラス(巨人)に並ぶタイ記録だ。ボルシンガーは5月4日から登板した11試合にすべて白星。シーズンの連勝記録は13年田中(楽天)の24連勝だが、勝敗なしを挟まない連続登板勝利は03年斉藤和(ダイエー)13年田中の15戦15勝が最多。外国人投手の11戦11勝は初めてで、ロッテでは70年成田、85年村田に次いで3人目のタイ記録になる。

(2018年7月22日付日刊スポーツ紙面掲載)