バレーボール全日本男子のエースで「ゴリ」の愛称で人気の清水邦広選手(31=パナソニックパンサーズ)は、2月に行われたVリーグプレーオフの試合中に右膝を負傷し、現在もリハビリ生活を送っています。「右前十字靱帯損傷で全治12カ月」と診断され、靱帯再腱術など3つの手術を受けました。感染症にもかかり、一度は選手生命をあきらめるほどの絶望に見舞われましたが、リーグでの活躍、東京五輪出場を目標に、1日も早い復帰に向けて辛いトレーニングに励んでいます。そんな清水選手が今、どのような食生活を送っているのか、子どもの頃はどのような食事をしていたのか、話を聞きました。【聞き手:中西美雁】

病院で、インタビューに答える清水邦広選手
病院で、インタビューに答える清水邦広選手

-清水選手は素晴らしい筋肉の持ち主ですが、子どもの頃はどんなものを食べていましたか

 清水 嫌いなものは一切なかったです。小さい頃から。

-そういえば、「好きな食べ物・嫌いな食べ物」を聞くといつも嫌いなものはない」と答えていましたね

 清水 そうなんです。自分は本当に好き嫌いがなくて。だから、そういう質問のときは「強いて言えば、地元福井のソースカツ丼が好きですね」と答えますね(笑)。子どもの頃は、そこまで栄養バランスを考えなくてもいいと思うんです。もちろんお菓子ばっかり食べて、ご飯を食べないのはダメですけど、好きなものをいっぱい食べればいい。お母さんが考えてあげることは、お子さんの好きなもので、栄養バランスをとってあげることだと思います。小さい頃はたくさん食べること。なるべく好き嫌いしないのが一番ですね。

-補食で、よく摂っていたものは

 清水 牛乳ですね。1日1リットル以上は必ず飲んでいました。中学、高校、大学と学年が上がるにつれて、しっかり食事内容を考えて、摂っていくようにすればいいんじゃないでしょうか。その過程で、食品について勉強をする機会があるはずですから、筋肉を作る食材はこれ、試合の前に食べるといい食材はこれ、と学んでいきながら、自分で選択して、そういう食材を摂るように心がけていけば良いと思います。

-清水さんにとっての「おふくろの味」は

 清水 ピーマンの肉詰めですかね。母親がよく作ってくれました。

清水選手のおふくろの味はピーマンの肉詰め(再現イメージ)
清水選手のおふくろの味はピーマンの肉詰め(再現イメージ)

-威力あるスパイクが武器のサウスポーで、東海大時代から全日本に選出。食事内容で気をつけていたことは

 清水 大学で栄養学を習ったので、その通りにしてみようということは意識していましたね。栄養学の先生や、全日本についている栄養士さんに相談して、こんなときは何をとったほうがいいかをアドバイスしてもらいました。やはり筋肉をつけたければ、タンパク質を多く摂るとか、試合前はタンパク質よりも炭水化物を多く摂るとか。消化の良いうどんやバナナを摂るといいとかですかね。

-プロになっても?

 清水 そうです。同じことですね。

-ケガをしてから気をつけていることは

 清水 カルシウムやビタミン類を多く摂るようにしていますね。(病院やリハビリ施設では)足りない分は食事だけでなく、サプリメントなどで補ってもいます。

昨季チームは天皇杯、Vプレミアリーグ、黒鷲旗で優勝し3冠達成。清水選手は車いすで優勝パレードに参加
昨季チームは天皇杯、Vプレミアリーグ、黒鷲旗で優勝し3冠達成。清水選手は車いすで優勝パレードに参加

-アスリートを目指す子どもたちにアドバイスを

 清水 「この食べ物を摂ると、どうしていいのか?」といったことは聞かないと分からないし、納得できないと思うので、色んな人に話を聞いて、バランスよく食材をとることが大事だと思います。あとは、何度も言いますけど、好き嫌いしない! これが一番ですね(笑)。