楽天の新入団会見が22日、仙台市内のホテルで行われ、ドラフトで指名された全10選手(育成含む)が決意表明した。ドラフト2位の太田光捕手(22=大商大)は背番号が2に決まり、即戦力の期待大。料理も得意な手先の器用さや緻密さも生かし、“女房役”争いに名乗りを上げる。
料理上手な太田が、女房役に1年目から挑む。関西6大学野球で優勝5度、ベストナイン4度を獲得した12球団最上位指名の捕手。「楽天の正捕手を10年務めたい。良いキャッチャーがたくさんいらっしゃいますが、岡島(豪郎)選手、嶋(基宏)選手まで1人1人追い抜けるようにしたい」。隣に座る平石洋介監督(38)を、大きくうなずかせた。続いて、大学3年までアルバイトしていた創作居酒屋の厨房(ちゅうぼう)担当としての腕前も明かした。「ハンバーグが好きなので、ソースや香辛料の量などにもこだわって自宅で作っています」。“女房”としての適性もアピールした。
仲間を支える精神面も即戦力だ。居酒屋を始めたきっかけも、親の仕送りで野球部の後輩たちにごちそうすることが嫌だから。岡山・倉敷市に帰省時には、だし巻き卵や唐揚げなどを家族に振る舞って喜ばせる。母真理さん(51)も「エビの処理や調理法なども見事なんです。今では私が教わって、食卓に還元しています」。野球の勇姿と同様に、頼もしさを感じている。
父正浩さん(48)ら家族との記念撮影では、背番号2のユニホームを初めて着用した。本人希望ではなく、球団が指名。太田も「背番号2は(ソフトバンク)今宮(健太)選手など、レギュラー級ばかり。肩を並べる選手になりたい」。高校、大学の先輩で来季から育成契約に変わった吉持亮汰内野手(25)から引き継いだ重責も感じている。
今春のリーグ戦で首位打者に輝いた打撃力も期待。「打てる捕手」として、今季の最下位から、一気に優勝に挑む一翼も担う。「これからは完全に寮生活になるので自炊はしないかもしれない。2年後に寮を出る時には結婚したい。サポートしてくれる存在も必要かな」。女房役と女房のダブル獲得を、プロ1つ目の目標に掲げた。【鎌田直秀】
(2018年11月23日付日刊スポーツ紙面掲載)