黒獅子旗奪回のカギは、昼寝にあり。社会人野球のJR東日本が20日、千葉の柏野球場で行ってきた約3週間の強化合宿を打ち上げた。

堀井哲也監督(57)は「いかにコンディショニングを崩さず、鍛えられるか。十分な休養と追い込みのバランスが取れました」と満足そうに振り返った。

05年から指揮を執るが、2月の強化合宿を本拠地で行うのは初の試みだった。これまでは海外や沖縄に出向いたが、合宿所にみんなで泊まり込み「腰を落ち着けて、やりこめました」。

ブルペンで投げ込むJR東日本・西田(撮影・古川真弥)
ブルペンで投げ込むJR東日本・西田(撮影・古川真弥)

午前6時過ぎからの朝練に始まり、午後4時まで、みっちり鍛えた。休憩もしっかり取らせた。正午からたっぷり2時間だ。「昼寝の時間を設けました。15分でもいい。寝ることで成長ホルモンが出る」と、昼食後の“シエスタ”を導入。寝付けない選手もいたが、代わりにシャワーや入浴でリラックス。すっきりして、午後からの練習に臨んだ。

おかげで、厳しい練習にも離脱者は、ほぼ0。高卒3年目で今秋ドラフト候補に挙がる西田光汰投手(20)に至っては、狙いどおり体重を80キロから自己最多84キロに増やした。

「練習でばてる時があったけど、なくなりました」。毎晩ご飯2杯を課した努力も実った。ブルペンではばらつきなく、テンポよく投げ込んだ。

昨年の都市対抗は準決勝で大阪ガスに惜敗。その大阪ガスが優勝した。今年の目標は、もちろん8年ぶりの優勝だ。堀井監督は「チームバランス、個々の力はあると自負しています。あとは1人1人が心技体を10%、伸ばしてくれれば」と願っていた。【古川真弥】

(2019年2月20日、ニッカンスポーツ・コム掲載)