バレーボール女子の国内リーグ最高峰、Vプレミアリーグ(現在のVリーグ・ディビジョン1)に史上最年少の15歳2カ月でデビューし、日本代表としてリオデジャネイロオリンピック(五輪)に出場したセッター、宮下遥選手(24=岡山シーガルズ)は母の手料理をしっかり食べ、体を作っていました。苦手な食べ物を食べなければならないときの方法なども話してくれました。【聞き手・中西美雁】
-子どもの頃の食生活は
宮下 好きだったのは、お母さんのコロッケ。ジャガイモとひき肉を混ぜただけのシンプルなやつです。ゆでたジャガイモを潰してくれて、たまに潰しきれないゴロッとしたのが残っているのが、すごく好きでした。お母さんには「これが好き」と伝えてなかったんですが、夕食のおかずに出てくると「ラッキー!」って。
-夕食の時間は何時ごろだった
宮下 平日も練習があったので、夜10時半頃になることもありました。そんな時は、お母さんが練習に行く前に食べられるものを作ってくれ、帰ってきてからも食べられるようにしてくれていました。だから、ご飯はちゃんと食べていました。
-今は自炊?
宮下 いえ、寮生活なので、栄養バランスを考えた食事が出ます。
-今好きな食べ物は
宮下 焼き鳥で、タレでなく塩派です。鶏肉料理が好きで、ささみも好き。時々無性に食べたくなり、食べると「ああ、食べて正解だったな!」って思います。
-逆に嫌いなものは
宮下 チーズ、レバー、セロリがダメです。
-鉄が豊富なレバーは貧血予防のために食べるよう指導されないか
宮下 「食」という観点から見ると、嫌いなものがあるのはあまり良くないかもしれませんね。「これを食べなければいけない」となったときには、マヨネーズをたっぷりかけて、海苔で巻いて食べます。濃い味にして、ごまかして食べます(笑)。
-海外遠征で、食事で苦労したことは
宮下 (衛生上の問題で)生野菜をなかなか口にできなかったときに、肌が荒れてきたり、便通が悪くなったりして、すごくきつかったです。ビタミンなど足りない栄養素はサプリメントで補いました。ご飯も、フリーズドライ製品を持参して、お茶漬けの素を加えてお湯をかけて食べていましたね。それでだいぶ助かりました。
-将来、日本代表を夢見るジュニアアスリートや保護者にアドバイスを
宮下 体を大きくするために「食べなきゃいけない」となると詰め込むのが精一杯で、食べるのが楽しくなく、苦痛になってしまいます。でも、食べられるときに精一杯食べるのはすごく大事。よほど体調不良でなければ、何でもしっかり食べて欲しいですね。それが体作りの源になり、力になると思います。
◆宮下遥(みやした・はるか) 1994年9月1日、三重県桑名市出身。母の影響で小学1年からバレーを始める。大阪国際大和田中でアタッカーからセッターに転向。2009年5月、史上最年少の14歳8カ月で岡山シーガルズに選手登録され、黒鷲旗に出場。同年11月、Vプレミアリーグ開幕戦で途中出場を果たした。15歳2カ月でのプレミアデビューも史上最年少。10年3月、15歳で日本代表に選出された。177センチ、58キロ。B型。愛称「ハルカ」。