ブロッコリーの突然変異で生まれたとされるアブラナ科のカリフラワーは、淡泊な味わいのため、どんな料理にも合わせることができる野菜です。そのカリフラワーが今、米や小麦粉の代替品として、全米で注目を浴びています。カリフラワーを使ったピザクラスト(生地)やトルティーヤ(トウモロコシの粉から作られるメキシコの伝統的な薄焼きパン)、ライスなど、様々なカリフラワー食品がスーパーマーケットに並んでいます。
カリフラワーはご飯と比べると、100gあたりのエネルギーは約6分の1で、糖質(炭水化物)は7分の1。低カロリー低糖質なだけでなく、淡色野菜の中ではトップクラスのビタミンCを含みます。カリフラワーのビタミンCは熱に強いので、ゆでたり、蒸したり、炒めたりと、調理のアレンジも可能。また、体内の余分な塩分を排出するカリウム、腸内環境を整える食物繊維も豊富で、抗酸化作用もあるので、動脈硬化予防やアンチエイジング効果もあると言われています。
カリフラワーブームの火付け役となったのは2017年、女性起業家が手掛けた冷凍カリフラワーピザ「カリパワー」。グルテンフリー、パレオダイエット(小麦粉や米など穀物や乳製品、加工食品を使わない旧石器時代の食生活をモチーフとした食事)、ビーガン(完全菜食主義者)といった健康志向のワードと共に爆発的にヒットし、類似品が次々と登場しました。いまやカリフラワーライスは、ビーガンだけでなく、ヘルシー志向の全体にも圧倒的な支持を得ています。
カリフラワーライスは冷凍や冷蔵のものが売られていますが、自宅でも簡単に作れます。生の状態でフードプロセッサーなどを使って細かく砕くだけ。包丁でみじん切りにしてもOKです。オリーブオイルで好みの具材と一緒に炒めたり、サラダに加えたりします。
小さく砕いたカリフラワーは見た目も白米に近いので、違和感なく食べることができます。淡泊で癖のない味わいは白米の代わりにぴったり。素材そのものの主張がほとんどないので、合わせるソースや他の具材との相性も良く、コリコリとした食感でおいしくいただけます。腹持ちも良く、糖質制限のある人や中性脂肪が気になる人もしっかり食べられます。
カリフラワーライスをベースにピザクラストにしたり、ワッフルやパンケーキにするなどアレンジレシピも考案されています。日本でも冷凍食品が発売されているので、気になる方はぜひ、試してください。
【ロサンゼルス=千歳香奈子通信員】