バレーボール元日本代表のリベロで、昨季フランスリーグのパリバレーでプレーした本間隆太選手(27=ジェイテクトSTINGS)に、フランスでの自炊生活について聞きました。2018年の日本代表に選出され、ネーションズリーグに出場したことで、より上のレベルを目指して海外へ。単身生活で食事作りにもしっかり取り組んでいたようです。【聞き手・中西美雁】

本間隆太選手(本人提供)
本間隆太選手(本人提供)

―海外での自炊生活はどうだったか

本間 もう、結構お手の物です。インスタグラムで料理を募集したら、色々な方から料理やレシピを教えてもらうことができました。外食は値段が高いし、味付けも濃い。デザートもおいしいので。リベロは他の選手より運動量が少ないので、そういう生活をしていると太っちゃうんです。だから、太らないように気をつけていました。体脂肪率を10%は切っていたいんですが、油断すると11%くらいになっちゃうので、自分で節制して、お菓子も食べないし、お酒も付き合いで月に1回飲むかどうかにしていました。日本でも、その辺のコントロールはできる自信があります。

本間選手のある日の食卓。主菜は「豚肉とチンゲン菜とキノコのゴマポン酢炒め」(本人提供)
本間選手のある日の食卓。主菜は「豚肉とチンゲン菜とキノコのゴマポン酢炒め」(本人提供)

―食材調達もお手の物か

本間 日本とは、野菜が違うんですよね、大根もないし白菜もない。売っていたのはブロッコリー、ニンジン、タマネギあたり。豚肉や牛肉も薄切りがなく、塊肉みたいなのしか売っていなくて、野菜炒めや鍋を作りたくても、できませんでした。キノコも、マッシュルームはあるけど、エノキやシイタケはなかったですね。

―マッシュルームで鍋はしない…

本間 はい。だから、どうしてもパスタが多くなりましたね。そこは大変でした。外国に行ったら、現地の食材に合わせて食べないといけない。サッカーの日本代表は、専属シェフが帯同しているわけで、そういう環境はうらやましいですよね。バレーも将来的にそうなっていけばいいなって思います。もっと夢のあるスポーツにしたい。僕が選手のうちにしたいけど、それは現実的ではないので、1歩ずつ。

本間選手が作ったハンバーグ(左)とトマト煮込み(本人提供)
本間選手が作ったハンバーグ(左)とトマト煮込み(本人提供)

―帰国して最初に食べた物は

本間 天ぷらを食べました。確か、食べ過ぎて翌日、胃もたれしてました(笑)。日本食はやはりいいですね。

―好きな食べ物、嫌いな食べ物は

本間 基本的に、常に栄養のバランスを考えて食事していますが、好きなのは「すき焼き」です。夏の暑い時期でも食べます。嫌いな食べ物はナスです。

パリバレーでプレーする本間選手(本人提供)
パリバレーでプレーする本間選手(本人提供)

―小さい頃の食に関するエピソードは

本間 中学生くらいまでは、かなり小食で母によく怒られていました。特に夏場の練習後は、なかなか食べることができなかったのを覚えています。あの頃にもう少ししっかりと食事を摂っていれば、もう少し背も伸びたかもしれません。

―おふくろの味は

本間 好きな食べ物でも話しましたが、たまに帰省した時に作ってもらうのは「すき焼き」です。卵に肉をつけて食べた瞬間は、本当に幸せです。

パリバレーでもリベロで活躍した本間選手(本人提供)
パリバレーでもリベロで活躍した本間選手(本人提供)

―ジュニアアスリートへ食に関してのアドバイスを

本間 まずは好き嫌いをなるべくしないで、たくさん食べましょう。特に練習がハードな日は主食、主菜、副菜、乳製品、果物の5品目を意識して摂るようにしたら、コンディションもキープしやすくなると思います。僕が幼い頃は、お菓子を食べ過ぎてご飯があまり食べられなかった日も少なくありませんでした。今となっては、後悔しています。今後、アスリートとして生きていくのであれば、食事は本当に大切です。どれだけ厳しいトレーニングをしても、良い食事がなければ意味がないと言っても過言ではありません。よく寝て、しっかり食べて、たくさん練習して、夢に向かって頑張ってください! 僕も頑張ります。

◆本間隆太(ほんま・りゅうた) 1991年10月17日、神奈川県相模原市出身。弥栄高-早大-ジェイテクト-パリバレー(レンタル)-ジェイテクト。18年日本代表に選出され、ネーションズリーグやアジア大会に出場。18-19シーズンは、フランスリーグのパリバレーでプレーし、優勝に貢献。ポジションはリベロ。178センチ、74キロ。指高233センチ。O型。