<高校野球北北海道大会:帯広農4-1帯広三条>◇29日◇十勝Aブロック代表決定戦◇帯広の森

すずちゃんに勝利を届ける。連続テレビ小説「なつぞら」で、広瀬すず(21)演じるヒロインが通う「十勝農高校」のモデルとされる帯広農は、37年ぶりの甲子園出場に向け機運が高まっている。

帯広農対帯広三条 地区突破を決めて喜ぶ帯広農の葛巻(左)(撮影・西塚祐司)
帯広農対帯広三条 地区突破を決めて喜ぶ帯広農の葛巻(左)(撮影・西塚祐司)

帯広三条戦の5回終了時、約600人の全校生徒が歌ったのは、劇中で広瀬が熱唱して話題になった日本農業高校クラブの「FFJの歌」。注目ドラマの波に乗り、今夏に全校応援で初めて採用した。農業高校の生徒には愛着あるメロディーで、試合終盤に向け仕切り直している。

帯広農対帯広三条 校歌を歌う帯広農ナイン(撮影・西塚祐司)
帯広農対帯広三条 校歌を歌う帯広農ナイン(撮影・西塚祐司)

優しいあの子のためにも負けられない。冬場は全員で体重増を目指した。女子マネジャーの阿部和加奈さん(3年)は「食トレ」をアシスト。朝練習の間に米30合を炊き、夕方はカレーや中華丼などの手料理を作った。農業高校の強みを生かして、校内でとれるジャガイモやタマネギ、卵などを使用。栄養抜群でコストカットにも成功した。1年間で10キロ増のメンバーもいて打球はグングン伸びている。阿部さんは「貢献できて良かった」と目を潤ませた。

今年は創立100年目を迎えた。朝ドラ通算100作目の同作と大きな節目が重なった。帯広農よ、聖地に向かって突き進め-。【西塚祐司】

(2019年6月30日、ニッカンスポーツ・コム掲載)