中日根尾昂内野手(19)が25日までに日刊スポーツのインタビューに応じ、プロ1年目を率直に振り返った。4球団競合の末に、18年ドラフト1位で中日に入団。春季キャンプ直前に故障で出遅れるなど体調面で苦しんだ。現在は台湾でのアジア・ウインターリーグに参戦中。外野の守備にも挑戦し、プロ2年目の飛躍を目指す。【取材・構成=伊東大介】

9月10日、ウエスタン・リーグ中日対広島 7回裏中日1死一塁、右中間へ適時三塁打を放つ根尾
9月10日、ウエスタン・リーグ中日対広島 7回裏中日1死一塁、右中間へ適時三塁打を放つ根尾

-初めての秋季キャンプは

数を打ち込んだり、ノックを受けたり、シーズン中ではできなかったメニューを連続して組めた。疲れてるとはいえ、いい過ごし方ができた。打ち方だけじゃないんですけど、基本的なところから全部。このキャンプでも走り方とか教えてもらったり。刀で言ったら、たたいて、たたいて、たたいて、いろんなところをそいでいく。そういうのが大事かな。守備なら荒木さん(内野守備走塁コーチ)にノックを打ってもらって、自分の動きたいように動いちゃったり、動けてしまうからこそ、対応力が落ちたり。このキャンプのテーマは数を受けたり、最後の最後に力が抜けたときの感じとか。そういうところを目的としてやっているので、考えて、どうこうとかいう感じではなくて、やっていってという。キャンプは春もやってないわけですし、秋、春とあるので、しっかり自分の感覚をつかむのはそこからの話。

-外野挑戦は

難しいですね。難しいと思っているから難しいのかもしれない。今の段階ではやっぱり外野の守備が、自分の動きというか可能性を広げてくれると思って練習に取り組ませてもらっているので、それで一軍で出るチャンスが少しでも広がるのであれば、それはもちろん、プラスなので続けていきたい。

-土台作りの面では

強さがまだ足りない。ガッっと踏む強さというか、伝え方。あんまり目に見えるようなものはないが、そういう力が弱い。1年間試合やる、2年、3年と続けるということを考えると、そこが1番きつかったというか、物足りなかった。

8月14日、ウエスタン・リーグ ソフトバンク対中日 4回表中日無死、根尾は空振りの三振に倒れる
8月14日、ウエスタン・リーグ ソフトバンク対中日 4回表中日無死、根尾は空振りの三振に倒れる

-体重は

(秋季)キャンプに来てから増えました。2キロぐらい。いまは82キロ。筋肉? そう願いたいですね。めちゃくちゃ食べるようにしています。練習終わった後はリカバリーできるように、シーズン中以上に食べてます。自分が良いと思っていたもの以上にフィットする数字があるかもしれない。まだまだ体を大きくするのはそうだが、やっぱり野球をしっかり続けていく中で、練習してつく筋肉で大きくならないといけないなとは感じている。

-体重増へのきっかけは

もっと自分に合うところは上にあるだろうなというところと、高校で鍛えてきた体はまだまだ子供の体なので、もっともっと社会人の体であったりとか。20歳を過ぎてからの筋肉トレーニングというのがここから大事になってくると思う。

-ドラフト1位で東邦の石川が入り、与田監督は根尾3番、石川4番を考えている

将来のことは、あまり分からない。監督、コーチは見据えながら言ってくださっている。自分の今やれることに集中して、監督が思い描いた形になるのがベストなら、そこにハマれるようにがんばりたい。

<今季の中日根尾>
▼1軍キャンプ取り消し ドラフト1位新人として期待され、1月下旬に1軍キャンプ参加が決定していたが、同23日の合同自主トレで右ふくらはぎを痛めて2軍スタート。2軍の全体練習に合流したのも2月下旬と出遅れた。
▼初実戦は三振 3月9日の教育リーグの阪神戦に6番指名打者で出場。初打席はメッセンジャーに空振り三振だった。
▼2軍で苦戦 3月23日の巨人との2軍交流戦で野上から初本塁打をマーク。しかし、開幕1軍入りは逃した。2軍戦でも打率1割台が続き苦しんだ。9月に入って11戦連続安打するなど調子を上げ、最終的に打率2割1分で終えた。
▼1軍デビュー 9月27日に1軍に初昇格。同29日の阪神戦で途中出場し、初打席はジョンソンの前に空振り三振。同30日は代打で空振り三振。プロ1年目は2打席2三振に終わった。

(2019年11月26日、ニッカンスポーツ・コム掲載)