巨人の「ビッグベイビー」が1億円プレーヤーに成長した。岡本和真内野手(23)が3日、東京・大手町の球団事務所で契約更改交渉に臨み、6000万円アップの年俸1億4000万円でサイン。巨人では松井秀喜、坂本勇人に次ぐ、24歳シーズンでの大台突破。1200万円から実質2年でのジャンプアップに、裏方さんへの恩返しを約束し、球団にはウエート器具の新調やメロンの質向上を要求した。

契約更改後の会見で来季の目標を書いた色紙を手にする巨人岡本(撮影・山崎安昭)
契約更改後の会見で来季の目標を書いた色紙を手にする巨人岡本(撮影・山崎安昭)

交渉の席上、岡本は「球団に対して、何かある?」と聞かれた。東京ドームのウエート場の器具の新調を要望。さらに「(東京ドームの)食堂のメロンが硬いので、ちゃんと熟したものにしてください」と珍おねだりした。先日も2万円の高級メロンを購入したほどの“メロン通”。「メロンだけはいいものを入れてほしいです。来年、楽しみに」と契約更改の会見が爆笑トークライブと化した。

契約更改後の会見で笑顔を見せる巨人岡本(撮影・山崎安昭)
契約更改後の会見で笑顔を見せる巨人岡本(撮影・山崎安昭)

会見の冒頭から、岡本ワールド全開だった。サインしたかを聞かれ「1000万円アップです」と即答。大台突破は「しなかったです」とたたみかけた。空気を読み「大台は突破しました」と6000万円増の1億4000万円での更改を公表。松井秀喜、坂本勇人に次ぎ、24歳シーズンで1億円を突破した。「まだまだ及ばないです」と気を引き締めたが、金額では同時期の坂本を超えた。

今季は右肩上がりに状態を上げた。原監督から「ビッグベイビー」と命名された前半戦。打率2割4分4厘、15本塁打、44打点と苦しんだが、後半戦から復調。4番として、打率2割6分5厘、31本塁打、94打点でリーグ優勝に貢献した。「技術的にも、メンタル的にも成長できた」。スクスクと育ち、MVPを獲得したCSファイナルステージでは原監督を「乳歯は抜けた」と認めさせた。

会見の盛り上がりも、右肩上がりだった。年俸の使い道に「1円も残らず、使います」とボケたが、すぐに真顔に。「支えてくださっている裏方さんとキャンプで一緒にご飯に行きたいです」と感謝の思いを込めた食事会の開催を約束。来季の目標には、今季1試合逃した全試合スタメン出場を掲げた。「ちなみにこれ、新しいスーツです」。笑い声とともに、岡本劇場の幕が下りた。【久保賢吾】(金額は推定)

(2019年12月4日、ニッカンスポーツ・コム掲載)