野菜たっぷりの食事を選手たちに─。生鮮野菜の生産・販売卸を手掛ける立川の豊泉裕監督は、そんな思いから7年前の就任以来、主宰する「森の食農学校 スマイル農園」で収穫された野菜を炊き出しに提供している。

「限られた父母会の予算から高い野菜を買って、具が少ないのは寂しいな、と。新鮮で具だくさんの汁物を食べさせたいという思いがありました」と豊泉監督。

立川冬の名物は具だくさんの野菜鍋。監督主宰の農園で採れた新鮮な野菜を保護者たちが調理する
立川冬の名物は具だくさんの野菜鍋。監督主宰の農園で採れた新鮮な野菜を保護者たちが調理する

旬の野菜を父母会の依頼に合わせて提供する。父母会はダイコンやハクサイ、ニンジンや長ネギはみそ汁や豚汁といった定番のほか、すいとん、コンソメスープ、中華風などにアレンジして飽きさせない工夫を凝らしている。

「根菜を食べられるようになった」と、苦手な野菜の克服と体調管理にも効果がある。冬は汁物が選手を温め、夏には冷えたキュウリやトマトが体も冷やす、熱中症対策にもなっている。他チームや審判たちにも好評だという。

「形が不ぞろいなものや熟れすぎたものなどを提供しやすい」という豊泉監督と、生産者の顔が分かる安心感と、余ったものを持ち帰るので、チームも家計も助かるという保護者。みんなが笑顔になっている。

(2020年1月18日付、日刊スポーツ紙面掲載)