<明大ラグビー部コラボセミナー(3)>

アスレシピは19日、明大ラグビー部とのコラボセミナー「体を大きくするための食事の取り方~明治大学ラグビー部の食事に学ぶ~」を東京・千代田区の明大駿河台キャンパスで開催。第2部では、主将のフッカー武井日向(4年=国学院栃木)、寮長のCTB射場大輔(4年=常翔学園)、副将のWTB山村知也(4年=報徳学園)、来季を担うロック片倉康瑛(3年=明大中野)たちのトークショーが実現した。主なトーク内容は以下の通り。

高校時代の食生活を話す武井主将(写真右)と藤野健太S&Cコーチ
高校時代の食生活を話す武井主将(写真右)と藤野健太S&Cコーチ

-それぞれ実家暮らしだったという高校時代の食生活は

武井 母が栄養の勉強をしてくれて、小鉢とか食卓に並べてくれた。ただ、当時は分からなくて手をつけなかったことも…。大学で管理栄養士の山田(優香)さんの話を聞いて知識がついた今は、ありがたみが分かる。体重が高校より6キロくらい増えた中、筋肉も運動量も上がっている。フィットネス測定も、するたびに記録を更新できた。

射場 兵庫から大阪の高校に通っていたので、朝はあまり食べられなかった。大学では朝練の後、しっかり食べられているし、食べたいものを聞かれれば『肉』としか答えなかった自分が、魚のおいしさを教えてもらった(明大では1日1回は必ず魚料理が出る)。朝もパン派で余計に太っていたけど、今は白ご飯にして改善された

山村 僕は反対に大阪から兵庫に通っていた。1時間30分くらい移動にかかったけど、その間、空腹のままだった。(高校時代の自分に戻れるなら)おにぎりとか持って部活に行けば良かったなと思う。今は空腹の時間をつくらないようにしている

片倉 朝練の後、パン1個とか。部活の後に食べなかったりとか。やっぱり、授業の後とか補食を取れば良かった

山田さん 中学、高校は移動に時間がかかる選手が多い。おにぎりなどの補食を持たせたり、タンパク源としてプロテインを飲ませて補強するのも効果的。朝はスムージーでもいいですし、3食を5食に増やせれば理想的

トークセッションで自身の高校時代を振り返る射場(写真中央)
トークセッションで自身の高校時代を振り返る射場(写真中央)

-その頃プロテインは飲んでいたか

射場 飲んでいたけど、効果とか分からないまま(笑い)。飲むタイミングとか正しい説明は受けていなかったかな

山村 知識がなかった。ウエート後(ゴールデンタイムと呼ばれる)30分以内に飲むとか、知らなかったので実践していなかった

-高校時代のウエートトレーニングは

武井 ストレングスとコンディショニングのコーチが週2回、来てくださって筋トレのフォームから教えてくれた。指導者がいない時は危ないからするな、とも言われていた

射場 週2回、筋トレだけする日があった。体を強くすることが楽しい、腕が太くなれば格好いい、みたいな、興味本位でやっている感じではあった

山村 今の報徳には専門のコーチがいるけど、自分の時はいなくて。知識があるチームメートに教えてもらっていた

片倉 フォームを教えてもらったことがない。YouTube見て勉強してました…けど、だから強くないのかな(笑い)

-食事の大切さ

武井 スキルも重要だけど、食事もパフォーマンスに直結する。体組成テストの上位にくる選手は、食事の意識が高い人が多い

山村 以前は体調を崩すことが多かった。3年の早明戦の後も肺炎になった。体重は落ちたけど、食欲がない中、山田さんがプロテインとか最低限のエネルギーが取れるようにしてくれた

片倉 (田中澄憲)監督から100キロないと試合に出さないと言われて、まず88キロから100キロにした。でも動けている。食事とトレーニングのおかげで除脂肪体重が増えた証拠

中高生の食事についてアドバイスする管理栄養士の山田さん(写真右)
中高生の食事についてアドバイスする管理栄養士の山田さん(写真右)

-トップリーグでプレーする予定の4年生。今後の抱負や感謝を

武井 さらに強度が上がってくる。大学で学んだ知識を大事に、さらに努力して社会人でも活躍したい。ここまで進路も悩んできたけど、両親が全面的にサポートしてくれた。将来、活躍して日本代表になって恩返ししたい。チームとしては主将として日本一に導けなかったけど、片倉の代で奪還してほしい。これからも強い明治であるために、直接は難しくなるけど、サポートしていきたい

射場 寮を出て1人暮らしになる。自覚を持って太りすぎないようにしたい。日本代表が目標。両親にも感謝の気持ちでいっぱい

山村 大学では通用したとしても、トップリーグではそうはいかない。スピードだけじゃ戦えないと思うので、さらに努力したい。僕も代表が夢。兄弟が多い中で応援してくれた両親に感謝して、今後も期待に応えたい。片倉が、私生活にこだわった僕たちの取り組みを『文化』と言ってくれて、うれしかった。ぜひ来年は優勝してほしい【木下淳】

(2020年1月20日、ニッカンスポーツ・コム掲載)