広島西川龍馬内野手(25)が25日、広島・廿日市市内の大野練習場で行われている合同自主トレに初合流した。

鹿児島・徳之島での合同自主トレ中の食事管理とトレーニングによって、体重は4キロ増。プロ入り後、オフの増量がシーズンの長打力アップにつながっているだけに、新シーズンでの長打増にも期待がふくらむ。また一回り大きくなった下半身が、長打力の上積みを予感させた。

自主トレ「TEAM徳之島」のメンバー。左から日本ハム近藤、今井、広島西川、日本ハム平沼、渡辺、石川亮、浅間(撮影・田中彩友美)
自主トレ「TEAM徳之島」のメンバー。左から日本ハム近藤、今井、広島西川、日本ハム平沼、渡辺、石川亮、浅間(撮影・田中彩友美)

鹿児島・徳之島での合同自主トレを打ち上げた西川が、大野練習場での合同自主トレに合流。年明けに73キロだった体重は77キロに増量した。ピラティスを取り入れたトレーニングや日本ハム近藤の母の手料理による栄養管理にも支えられ、筋肉量もアップ。この日のフリー打撃でも安定感を増した土台に支えられ、鋭いスイングを繰り返した。

「行く前よりも全部でかくなっていた。打球もちょっと飛ぶようになっている。徳之島で打っている感じも。だからキャンプもすごく楽しみです」。

オフごとに、それぞれの課題に取り組みつつ、体重増は毎年テーマにしている。計画的な体重増は、そのまま長打力アップにつながっている。オフごとに平均3~4キロ増し、1年目から二塁打や本塁打の数を年々増やし、昨年は本塁打数が自身初の2桁となる16本を記録。今年はさらなるパワーアップでキャリアハイの長打が期待される。

広島対中日戦で右前打を放つ西川龍馬(撮影・栗木一考)=2019年9月27日、マツダスタジアム
広島対中日戦で右前打を放つ西川龍馬(撮影・栗木一考)=2019年9月27日、マツダスタジアム

広島の外野手は鈴木誠のほかにも野間や長野、松山らライバルがひしめく激戦区。「まずは試合に出られればいい」と足元を見つめる。チーム屈指のバットコントロールにパンチ力も加われば、欠かせぬ中軸となる。今年は「もちろん出たい」と全試合フルイニング出場を目指す。

パ最高出塁の日本ハム近藤からは、高い集中力を持続させるための術も学んだ。「割り切り。打ち取られても切り替える。引きずるのではなく。昨年も集中力があったら、3割打てていましたよ」。昨年打率3割に3厘届かなかったのは連続安打が続いた時期にエアポケットに陥ったとシーズン後に振り返っていた。初めてシーズンを完走して分かった苦い経験も、糧とする。たくましくなったバットマンが、広島打線に力強さを加える存在となる。【前原淳】

(2020年1月25日、ニッカンスポーツ・コム掲載)