モグモグタイムも充実だ。ヤクルトのドラフト1位奥川恭伸投手(18=星稜)が1日、宮崎・西都で初めてのキャンプをスタートさせた。真新しい背番号11のユニホームをまとい、この日から許可されたシャドーピッチングでは「気持ち良かった」と笑顔を見せた。痩せやすい体質のため、昼食ではうどん、親子丼とモグモグ食べまくり、グラウンド内外で大物感を示した。

ボールを握ってシャドーピッチングをするヤクルト奥川(撮影・鈴木みどり)
ボールを握ってシャドーピッチングをするヤクルト奥川(撮影・鈴木みどり)

昼食後に報道陣に対応する予定だった奥川が、メディアの前に姿を現すのが少し遅れた。最後まで食堂でごはんをほおばっていたのだという。「食事はいつも最後になります。まだまだ(体が)細いと思うので、しっかり食べたい。太りにくいですし、すぐ体重が減ってしまうので」。

公称184センチ、82キロだが、プロではもっと体を大きくする必要性を感じている。この日はうどん、親子丼、とり天、サラダ、フランクフルト、フルーツと次々にたいらげ、昼食だけで推定1800キロカロリー近くを摂取。プロの体づくりのためにモグモグタイムも有効に使った。

ノックで笑顔を見せるヤクルト奥川(撮影・鈴木みどり)
ノックで笑顔を見せるヤクルト奥川(撮影・鈴木みどり)

存在感を発揮したのは、食事だけではない。新人合同自主トレでは右肘炎症のためにノースローが続いていたが、この日からシャドーピッチングが許可された。「タオルを持って、10分ちょいやりました。気持ち良かったです。久しぶりに強く腕を振れて、やっと野球をしている感じでした」。室内練習場では、本気ではなかったが上投げで至近距離のネットにボールをぶつけ、コーチにたしなめられる場面も。投げたい気持ちでウズウズしており、第1クール最終日(4日)には次の段階であるネットスローに進む見通しだ。

この日は両親も球場を訪れ、息子の第1歩を見守った。また地元石川でのフィーバーぶりは松井秀喜氏が巨人に入団した時以上という声もあり、地元テレビ4局と北国新聞の記者が奥川の一挙手一投足に視線を注いだ。池山2軍監督も「プロ野球は見せて、見られてというスポーツ。この報道陣の多さで、彼の(今までの)活躍ぶり、人気の度合いを改めて感じました」という。奥川一色で始まったヤクルト2軍キャンプ。投球練習へと段階を踏む度に、その熱気は度合いを増していく。【千葉修宏】

(2020年2月2日、ニッカンスポーツ・コム掲載)