<オープン戦:巨人3-5ヤクルト>◇2月29日◇東京ドーム

天使の甘~い誘惑に打ち勝つどころか、自らの糧としてみせた。

試合前、贈られたメロンにうなる巨人岡本(撮影・たえ見朱実)
試合前、贈られたメロンにうなる巨人岡本(撮影・たえ見朱実)

巨人岡本が、本拠地東京ドームでオープン戦第1号をぶちかました。1点リードの6回。試合前に食した高級メロンは、既に消化していたはず? の若大将(命名:原監督)が、ノンストレスで第3打席に入った。ヤクルト石山の1ボールからの2球目。外寄り高め147キロに、かぶりついた。大好物と言わんばかりに逆らわず、右翼スタンドの中段へ高い放物線を描いた。「今年初めてのホームランでしたしね。素直にうれしかった」と失投を完璧にほおばった。

6回裏巨人無死、岡本はソロ本塁打を放つ(撮影・浅見桂子)
6回裏巨人無死、岡本はソロ本塁打を放つ(撮影・浅見桂子)

試合前にうれしいプレゼントがあった。昨年12月の契約更改の場で球団へ「(東京ドームの)食堂のメロンが硬いので、ちゃんと熟したものにしてください」と珍おねだりした若大将。そんな4番の元へ「天使が選んだ味と香り」と称される静岡の完熟マスクメロン「天使音(あまね)」が届けられた。1玉約2万円もする高級フルーツ。口に運ぶと「甘い。硬くない」と満面の笑みを見せた。試合前にエネルギーを補充し、若大将として初の1発。試合後には6玉入った「天使音」の段ボールを大切そうに持ち帰った。「1日1玉ですね」と天使のような笑顔から、悪魔のような1発を相手チームへ届ける。【栗田尚樹】

(2020年3月1日、ニッカンスポーツ・コム掲載)