ちゃんこ番の手作り弁当が広がりを見せている。新型コロナウイルスの感染リスクを避け、他人と接触する機会を減らすため、今場所は力士ら協会員の再入場が禁止。会場入り後、昼食や買い物で外に出ることができない。幕内力士の付け人を務める序二段力士は、自身の取組後、6~8時間も会場に滞在することになる。力士にとって空腹は取組後の最大の敵。そんな状況を乗りきるため、各部屋のちゃんこ番が腕によりをかけている。
きっかけは相撲協会公式ツイッターの投稿だった。高砂部屋の付け人力士が、手作り弁当を持参していると写真付きで紹介された。これを機に、各部屋で栄養とボリュームのある手作り弁当を持参する新たな動きが出始めた。協会公式ツイッターはその後、陸奥、佐渡ケ嶽、錣山、追手風部屋などの弁当も紹介した。
もともとは横綱鶴竜の付け人を務める、高砂部屋の序ノ口神山の発案。全力士最長、10時間超も滞在する負担を軽減するため始まった。弁当箱代わりのプラスチック製容器4個を購入した高砂部屋のちゃんこ長で序ノ口大子錦は「冷めてもおいしく食べられるものが中心」と毎日違う献立。大子錦は今場所途中休場した分、サポートにも一段と力が入る。【大相撲取材班】
(2020年3月14日、ニッカンスポーツ・コム掲載)