北海道コンサドーレ札幌MF荒野拓馬(27)がフードロス(食品ロス)問題解決に乗り出している。28日、札幌・宮の沢での自主トレ後、取材に応じた。
20日にサイト「Food Rescue Hero」を立ち上げ、新型コロナウイルスの影響で廃棄処分の危機にある北海道産食材の生産者から出品を募っている。この日、第2弾で南幌町産ゆめぴりかの米粉100%使用のドーナツが出品され、「写真を見たらおいしそうだったので、僕も即買いした」と薦めた。
ニュースなどでフードロス問題を目にしたのが活動のきっかけ。「廃棄処分されるのはもったいない。僕がそういう生産者たちをレスキューできればとサイトを立ち上げた」と説明する。第1弾として出品された長沼町のリンゴ農園のアップルパイは、荒野のSNSなどでの呼び掛けもあり、販売開始後すぐに100セットが完売した。
ピッチではサポーターの声援に支えられた。今はその場は与えられない。だから「今回は僕がサポートする」。購入者には「あなたはヒーローだ」とお礼のメッセージを送るなど、細かなケアも忘れない。
自主トレが解禁されて2日目。ランニングやFW菅とのパス交換で体を動かした。練習休止中は一人でずっと自宅待機していたため、「チームメートと会うのが楽しい」と笑顔。荒野の前向きさが、北海道の希望となる。【保坂果那】
(2020年4月28日、ニッカンスポーツ・コム掲載)