<高校野球茨城大会:水戸啓明4-2水海道第二>◇5日◇準々決勝◇ひたちなか市民球場

昨秋に初戦敗退した水戸啓明(茨城)は食で1位をつかみ取った。逆転に次ぐ逆転で、水海道二を4-2で下した。大貫翔真主将(3年)は1点リードの8回1死一、三塁。低めの直球に快音を鳴らし右前適時打。ダメ押しの4点目を奪った。「冬に食べた成果が出ました」と喜んだ。

水戸啓明対水海道二 8回表、右前適時打を放つ水戸啓明・大貫(撮影・沢田直人)
水戸啓明対水海道二 8回表、右前適時打を放つ水戸啓明・大貫(撮影・沢田直人)

昨秋、初戦で常総学院に1-5で完敗した。整列した時、体つきの違いを感じた。「見たことない打球の鋭さだった」。悔しさから冬の間はチーム目標に体重を8キロから9キロ増やすことを掲げた。練習前に体重を量り、目安の体重になっていないと練習に参加できなかった。「野球をするために皆で必死に食べてました」。寮のご飯のお供はトンカツが人気。地元のお米を夜は1キロ食べた。

どんぶりに大盛りでご飯をよそう水戸啓明・大貫(撮影・沢田直人)
どんぶりに大盛りでご飯をよそう水戸啓明・大貫(撮影・沢田直人)

水戸啓明の寮の夕飯。トンカツ、豚肉の中華炒め、ハムとキャベツのサラダ、タマゴとワカメのスープ、1キロご飯(撮影・沢田直人)
水戸啓明の寮の夕飯。トンカツ、豚肉の中華炒め、ハムとキャベツのサラダ、タマゴとワカメのスープ、1キロご飯(撮影・沢田直人)

梅雨の長雨の影響で準決勝と決勝はなくなってしまった。「てっぺんを目指していたから、これで終わりは歯がゆい。でも、勝って仲間とここまで来られてよかった」と涙を浮かべた。入学時に52キロしかなかった体も今では74キロに。今後は大学に進学し野球をやるが「もっと体を大きくして活躍したい」と自分にエール。心も体もたくましくなる。【沢田直人】

(2020年8月6日、ニッカンスポーツ・コム掲載)