新型コロナウイルスの感染拡大がおさまらない中、主婦たちの料理に対する意識が変化してきているようです。手作り志向などが後退している一方で、冷凍食品やレトルトなどの出来合い品を上手に活用しようとする意識が高くなっていることが、日本能率協会総合研究所の調査でわかりました。
調査対象となったのは、首都圏・中部圏・近畿圏に居住する20~60代の主婦1076人と、単身世帯の男女600人。コロナ禍を経験して料理意欲が向上したかどうかを尋ねた質問で、「はい」が「いいえ」を上回ったのは20代の主婦・単身女性のみで、そのほかの性別・年代では料理への意欲が低下している傾向がみられました。
一方、冷凍食品やファストフードなど、中食の利用は2019年時と比較して増加しています。「出来合い品(冷凍食品・レトルト・惣菜等)を上手に活用している」という人は近年増加を続け、今回の調査では29%に。そのほか、「野菜や魚介類等の素材の冷凍食品を使う」は7ポイント増、「ファストフードで昼食をすませる」は6ポイント増、「下味が付いている肉を使う」「コンビニ弁当・持ち帰り弁当で昼食をすませる」なども増加しています。
中食の活用が進んでいますが、食事での健康を配慮する意識も2019年に比べて5ポイント増加しました。健康意識で最も多かったのは「メニューのバランスに気を配っている」で7割弱。次いで「できるだけ健康に良い食材を使う」「摂り過ぎに注意(カロリー控え目、減塩等)している」が5割前後で続きました。
さらに「免疫力に関心がある」と答えた人は46%、「衛生面を気にして料理をするようになった」と答えた人は28%で、いずれも60代が最多となりました。